夢と幻想 detective.

春嵐

01.

 消えて、なくなる。


 さわって、せめて質感だけでも。そう思っても、なくなったあとに手のひらに残るのは。さびしさ、だけ。


 夢から、覚める。この瞬間の、さびしさと、新しい日々が始まる感覚。


「さて」


 涙を拭って、ベッドから起き上がる。今日はスカートにしようか、レギンスにしようか。


 今日の仕事は、なんだろう。


 ごはんを食べて。着替えて。扉を開ける。


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