ぎゅっと
いつもの場所に行くと、枢木さんが待っていた。
「枢木さん!お待たせしちゃいましたか…?」
「……いえ!俺も今来たところです!」
いつものお店へ、並んで歩く私と枢木さん。
大学であったことなんかをお互い話して笑って、お店に着くと、本を選び、お互いのコーヒーを作って、席に座る。
「あのっ、!」
2人ともおんなじタイミングだった。
「柳井さんから先にどうぞ…!」
「あ、良いんですか…?枢木さんの事…その…名前で呼んでも…?」
「あははっ、いいですよ。」
「良かった…!!じゃあ次は凛翔くんどうぞ…!」
「…あの、嫌だったら答えなくて良いんですけど…柳井さんは彼氏居ますか?」
「居ない、です…。」
「あの、いきなりなんですけど……。俺の、大切な人になってくれませんか?俺の隣に居てもらえませんか?」
「えっと、それは…?」
「柳井さんの事、好きです。」
緊張で少し震える声で確かに 好き。と聞こえた。
「…ほ、ほん…」
ほんとですか??と聞く前に彼の手を見るとぎゅうっと握られていた。
「…私、凛翔くんの事ずっと好きでした。だから凛翔くんの隣に居させてください。」
凛翔くんはニコニコと笑顔で。
「柳井さんの事、守りますね。」
なんて言うから、かっこよくて。
「あの、名前で呼んで欲しい…です。」
「美愛さん。」
見つめられて、恥ずかしくて、胸がドキドキして。
幸せな時間で。甘くて、甘くて。
ずっとずっと好きだった人の隣に居れるなんてこんなに嬉しい事は無い。
夢じゃない、よね…?
目の前で凛翔くんがニコニコと笑って
「どうしたんですか?」
って聞いてくれているから、夢じゃない。
「えっと、なんでもないです!!」
慌てて返事をしたら、凛翔くんは何かを言っていたけど小さい声だから聞こえなかった。
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