いつもの味
「どうですか…?」
緊張した顔で私を見つめてくる。
「…すっごく美味しい、コーヒーってこんなに美味しいんですね!」
「俺のコーヒー気に入って貰えました…?」
「すっごく気に入りました!」
「よかった、嬉しいな。」
ほっとしたような顔で微笑む枢木さん。
「じゃあ、俺もいただきますね。……ん!いつもの味だ。もしかしていつも柳井さんが作ってくれてたんですか…?」
「はい、いつも私が。先輩と比べたら全然なんですけど…。」
「俺、このコーヒー凄く好きで誰が作ってくれているんだろうって思ってました、家で作ろうって思ってもなんか違うし…。だからカフェが休みの時以外はよくカフェに行くんです。」
「…ふふふ、なんか嬉しいな。私が作ったコーヒーそんなに褒めてもらえるなんて…。」
「また、ここでも、カフェでも作って貰えますか?指名とか出来たら良いんですけど…。」
「わわっ、指名とかしなくても大丈夫です!私が作りますので!」
「ありがとうございます、嬉しいです。」
顔が赤くなるのを隠すように、私は本に目線を落とした。
しばらく経って、帰り道。
「また、一緒に行きませんか?」
「もちろんです!」
「嬉しいな…。俺はこっちなので。またカフェで。」
「はい!待ってますね!」
あ、待って今勢いで 待ってますね って…言っちゃった…!!
うわぁ…恥ずかしい…!
枢木さんはニコニコと小さく手を振ってくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます