(四)―3

 男は「来るな!」と繰り返しながら自動拳銃をこちらに向けた。手がぶるぶる震えていた。

 福山も回転式拳銃を抜き、男に焦点を合わせた。

 男は「来ると撃つぞ!」と言って空に一発発砲した。

 福山は男に近づいていった。そして拳銃の銃口を男の口に当てた。恐怖のせいか、男は拳銃を落としてしまった。

「お前、昨日、女と子どもを殺しただろう」

「し、知らねえよ……」

 福山は拳銃を男の左足に向けて発砲した。

 うめき声を上げながら男はうずくまった。


(続く)

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