(三)―3

 福山は回転式の拳銃のリボルバーに装弾した。そして夜の町を走る車の中から前の車に銃口を向け、狙いを付けるマネをした。

 車を繁華街の入口近くに停めて、二人は車を降りた。その際、福山は「現在入口に到着」と無線を飛ばした。捜査本部からの指示では、該当のビルの裏手を固めるようにとの指示だった。

 ビルの裏手に入るには、表側からビルの側面にある通路から入っていく方法もあったが、そこには県警捜査一課の刑事が二人、会社帰りの酔ったサラリーマンを装って立っていた。


(続く)

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