(三)―2

 県警本部に連絡が入ると、仮眠室で仮眠していた福山は同僚に「出動だ」と起こされた。精神的なショックと疲労と寝不足で起こされても頭がぼんやりしていたが、「近田が出た」という同様の言葉に、福山は目が覚め、ベッドから飛び起きた。

 同僚とともに装備室で拳銃と予備弾薬を受け取った。これは捜査本部長の指示であった。相手が暴力団であり、銃撃戦になる可能性も考えられたからだった。

 建物を出て覆面パトカーに乗り込んだ。同僚が運転席に、そして福山は助手席に座り、車は進発した。


(続く)

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