第381話 帰宅すると色々あるね
黄泉比良坂から帰って来ると、アズサ達も帰ってきたところだった。
話を聞くとシモを連れて遊園地にいったらしい。
「そうかい、シモちゃん楽しかったかい?」
「うにゅ!楽しかったのよ♪あのね、すっごい可愛かったのよ♪」
シモはテンション高めに遊園地について教えてくれる。
この姿をみると子供なんだなぁと感じるが。
一方別の報告も受けることになる。
シモが訪れた遊園地で大量に尊厳を失う紳士達が発生していたのだ。
「爺さん、やり過ぎだろ。」
犯人が一発でわかる。
「リョウくん!アキラ氏が暴走しているみたいなのだが!」
宮木総理からも電話が鳴る。
「あー、どうやら異世界の少女に邪な事をしようとしたみたいですね。
俺にはどうしようもありません。」
「だ、だがね、これほどの被害が出ているのは少し困るというか・・・」
「・・・犯人は判明してないのでは?」
「こんな事を出来るのは君かアキラ氏かジロウさんぐらいだろ!」
「容疑者が3人も!」
俺は嘘くさく驚いたフリをする。
「全部君達だよ!」
「まあまあ、俺に言っても本当に止めれません。
爺さんが異世界の少女にご執心ですから、嵐が来ていると思ってやり過ごしてください。」
「本当に天災レベルだよ、今日だけで38人が救急搬送されたんだよ。」
「多いですね、それほどこの国はロリコンに支配されていたとは・・・」
「いや、笑い事じゃないからね。」
「まあ、何もしなければ大丈夫だと思いますから。」
宮木総理はのらりくらりとかわすリョウに一応の抗議だけは入れて電話を終えるのだった。
翌朝、庭が騒がしいと思ったら、ジロウとダイキが来ており、その中に爺さんとシモもいる。
「ジロウさん、来てたのですか?」
俺は庭に行き話しかけるが。
「おー!リョウ、この子はいいな!」
ジロウはシモの頭を撫でている。
「うにゅ、ジロウは強いのよ!どれだけ叩いても効かないのよ!」
「ワシに打撃を当てれるだけでも大したものだ。ダイキも見習え!」
どうやら朝から激しい特訓があったようだ、ダイキは既に目を回して倒れている。
「ジロウさん、ダイキはどうしたんですか?」
「シモちゃんにやられて目を回しておる。このバカは油断しおって、初撃をまともに喰らいおったわ!」
ダイキはシモの見た目から油断したのだろう、シモは見た目、近接ができるような筋肉はついていない。
それで判断すると速度についていけない。
魔力での身体強化らしいがかなり厄介な技能だった。
「ジロウもう一回するのよ!」
「おお、シモちゃん、かかってきなさい。」
シモは元気にジロウと組手を始める。
木刀を握り、ジロウに襲いかかるがジロウもキッチリ守りを固めている。
「流石ジロウさん、あの速度でも守りきれている。」
「いや、シモちゃんの刀ならジロウでも斬られておるな。」
「爺さん?それってジロウさんが負けるってこと?」
「本気で装備を固めたジロウなら勝つじゃろうが、素手ならシモちゃんの攻撃は防げまい。」
「シモちゃんの刀ってそれほど斬れるの?
名刀と呼ばれるぐらいでもジロウさんは斬れないでしょ?」
「もと聖剣じゃ。」
「はい?」
「鈍い奴じゃ、異世界にあった聖剣を打ち直して刀にしたのじゃ、既に一匹、神も斬ったし、ジロウの血も吸った、ワシの刀に近付いておるわ。」
「・・・爺さんの刀に?そんな呪われた存在が二本になるの!」
「人の刀を呪われたとか言うでない、じゃがそういうことじゃ。」
衝撃の事実に俺が驚く中、シモは楽しそうにジロウとやり合っていたのだった。
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