第380話 黄泉比良坂

シモを預かっている間、アズサは遊園地に連れて行ったりと色々面倒を見てくれている。

その間に俺は黄泉比良坂について調べていた。


「ヒロキ、ここの調査に行くぞ。」

「おっ、やる気になったか!」

「まあね、ヨシノブの娘の為だし、少し気合を入れて行こうか。」

俺とヒロキ、そしてダイキは3人で島根の黄泉比良坂を訪れる。


「ここか、見た目は普通の場所だよな?」

ダイキは簡単そうに言うが・・・

「ダイキ、何を言っているんだ?こんな場所が普通なわけないだろ?」

「何かあるか?」

「異常な程の霊力が巨石から感じるよ。」


「つまり、岩の向こうに何かあると?」

ヒロキは棒を構え、破壊しようと考える。

「待った!破壊するな!これは正規の道を作るから破壊すると色んな物がでてきそうだ。」

「お前には何が見えているんだよ?」

「見えてはいないけど感じるね、この前のミノタウロスと同じような感じが多数あるよ。」

ヒロキとダイキも冷や汗が流れている。

「それやばくないか?」

「やばいよね、まあ、このままじゃ解放出来ないからね。開けれる準備だけはしておくか。

中に入るのは爺さんを連れて行こうか。」


「アキラさんが素直に動いてくれるのか?

俺達が地獄を見るだけなのでは・・・」

「大丈夫だろ、シモちゃんは爺ちゃんのお気に入りだしな、この件に限っては全面協力してくれるはずさ。」

「あのアキラさんが?信じられん。

実の孫でもライオンの口に放り込みそうな人が?」

「・・・実際にやられたよ、熊にやられた後の武者修行の時に」

俺は暗い目を向ける。

「あーーー、やられてたか。」

「ああ・・・それより陣を張るから少し下がって。」

俺は地脈を動かし、巨石の側面にある隠された操作パネルに地脈が流れ込むようにセットする。


「これで3週間もしたら操作出来るようになるよ。」

「ホントにお前はどうなっているんだよ。」

ヒロキは呆れたように俺を見ている。


「俺からしたら、あんなに勉強してるヒロキが何故わからないかがわからないよ。」

「俺が普通だからな、なんで現地に着いたらスムーズに起動方法がわかるんだよ。」

「・・・説明書があるのになんでわからない?」

「説明書?」

「ほら、ここを見てよ。」

俺が指さしたのは岩の側面にあるヘコミだった、文字と言われれば文字と見えそうな・・・


「わかるか!」

「えー」

「一度お前と世界中の遺跡を回る必要があるな。」

「いや、面倒臭い。」

「絶対にお前に貸しを作るからな。」

「まあ、その時はちゃんとするよ〜」

俺は軽く返事をしていったん家に帰るのだった。

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