第364話 パーティー2

食事の後俺はノアと話していた、

ノアはオーストリアから来たようで、今日は父親と共にこの会場に来たらしい。

父には知人を作るように言われていたようだが、同じ歳ぐらいの子供がいない中、浮いてしまい、話しかけられずに途方にくれていたとの事だった。


「ノア、それなら俺と話している場合じゃないのでは?」

「うーーー、わかってはいるんだけど、ここの人達、利権がどうとかの話ばかりで友好的に付き合えそうにないんだよ~」

「あーなんかわかるな、少し殺伐としてるよな。」

「そうなんだよ、でも、どうしよう・・・このままだとお父様に怒られてしまう。」


「じゃあ、一緒に少し歩いて話せそうな人を探して見ようか、多少の子供も来たみたいだし。」

話始めた頃にはいなかった子供達も少しは増えていた。


「いいの?一緒に来てくれるの?」

「友達だろ?付き合うに決まっているさ。」

「ありがとう!」

俺とノアは会場を歩きだす。


すると、すぐに子供達の集まりを発見する。

俺は近づくと、そこにはレーア、そして、ヒロキがいた。


「リョウ!何で此処に!」

ヒロキは明らかに動揺している。

「俺はアズちゃんの付き添い、おまえは?」

俺はニタニタ笑いながら問いかける。

「お、俺は・・・レーアの護衛だ。」

「あら、ヒロキさん、護衛だなんてそんなことありませんわ、私をエスコートしてくださったの。」

レーアはヒロキと腕を組む。


「おあつい事で何よりです、そうだ、レーアさん、このノアも話に加えて貰えませんか?」

「あら、ノアくんじゃないですか?リョウさんと一緒なんてどうなされたのですか?」

「レーアさん、僕はリョウと友達になったんだ。」

「あらあら、それはいいご縁ですね。」

レーアは嬉しそうに微笑みかける。


「ノア、レーアさんについて周りの子供達と話してなよ、俺はこの友人と少しおはなしがあるんだぁ~」

俺はヒロキの肩を掴み、逃がさないようにする。

「わかったよ、でも、帰って来てくれよ。」

「ああ、もちろんだ。レーアさん頼んだよ。」

「わかりました。でも、夫をあまりいじめないでくださいね。」

レーアも少し笑いながら、ヒロキをからかっているようだった。

「夫ってまだ・・・」

「まあまあ、ヒロキちょっと話そうじゃないかな。」

俺はヒロキを連れてテラスに出る。

途中、グラスを取り、軽く飲みながら話す。


「おめでとうでいいよな。」

「ああ、お前のお陰で縁談は進んでいるよ。」

俺とヒロキはグラスを合わせる。


「それは何よりだ、今日は御披露目か?」

「それに近いな、パーティーに揃って出て既成事実を作るようだ、上流階級はめんどくさいな。」

「まあまあ、レーアさんの家はアベルもいるから後を継がなくていいんだろ?

気が楽じゃないか。」

「それでもパーティーに出ないといけない時もあるし、経済界に顔を繋いで、金を稼ぐ・・・そうだよ、お前がいるじゃないか。」


「はい?」


「お前、源グループに顔がきくよな?」

「まあ、東海地区長の身分はあるけど。」

「何を言ってる若様、なあ、頼みがあるんだが?」

「なんだよ、その振りで頼みは怖いが、言うだけ言ってみろ。」


「太陽光発電の設備の大量輸入が出来ないか?」

「確認がいるがどうしたんだ?」


「今、ドイツでは自然エネルギーに転回が進んでいてな、

レーア住んでいる地方も大規模に進めたいのだが、仲介が入るとかなりの手数料を取られてしまうんだ、それで直接日本から仕入れられないか取引相手を探していたのだが。」


「なるほど、ちょっと待てよ。」

俺は織田さんに電話をする。

「若、どうなされましたか?」

「織田さん、源グループで太陽光発電の設備って作ってる?」

「ええ、最近特許を取ったばかりの新設備も有りますよ。」

「それって海外輸出とか出来る?」

「ええ、大丈夫です。」

「じゃあ、知り合いが大量に買うかも知れないから口利き頼めるかな?」

「わかりました。いくらいるか連絡くださればすぐに御用意致します。」

「ありがとう、また、連絡するよ。」


「ヒロキ大丈夫そうだよ。」

「ありがとう、借り1だな。」

「これぐらいで貸し借りは言わないさ。

ご祝儀と思ってくれ。」

「お前の祝儀はどれだけあるんだよ。まあ、ありがとう、

この事を伝えたいからレーアの所に戻ろう。」

「りょーかい。」

俺とヒロキが戻るとレーアに若い男が執拗に絡んでいた。

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