第326話 一段落?
ミウを見つけ、リュウセイはすがるようにミウの元に行く。
「ミウ、見てくれよ、リョウの奴がこの俺にひどい目にあわせたんだ・・・」
「リュウセイさん、いつ私があなたに呼び捨てを許したのですか?」
「ミウ・・・さん。」
「リョウくんにひどいことばかり言って、いつから私があなたの物になったんですか!私の全てはリョウくんのものです!」
「ミウさん、何を?俺と2人で今まで歩んで来たじゃないか?」
「作曲はしてもらいましたが、別にあなたである必要なんてありませんよ。」
「えっ?」
「私はリョウくんに、声を届かす為だけに歌ってましたから。」
「ミウさん、何を言ってるんだい?トップアーティストになるために頑張って来たんだよね、そして、今後も俺と共に・・・」
「いえ、今後、私の歌う曲はリョウくんがくれる歌だけですよ。なんならあなたが作った歌は今後歌わなくてもいいと思います。」
「そんな事は出来ないはずだ!ミウさんの持ち歌のほとんどは俺の曲だ!俺の曲を通して2人は混じりあうんだ・・・」
「わかりました、あなたがそういうのなら、気持ち悪いので今後歌いません。」
「な、なに・・・」
「発売も中止するようにします。出来たら回収もしたい所ですね。」
「そんな・・・俺と重ねた年月は何だったんだ・・・」
「ビジネスじゃないですか?私としては作曲の権利も買い取ってますし、1回ずつの契約で繋がりはないようにしていたつもりだったんですが。」
「そんな、バカな事があるか!君は俺の曲を選んでくれていたんだろ!」
「いえ?スタッフの人が持ってきてくれた曲を歌ってましたよ。」
「バカな・・・」
リュウセイは膝から崩れ落ちる。
「さて、ミウさんの話も終わりましたし、源家としてあなたを処罰する必要がありますね。」
「アズサさん?」
リュウセイは顔を上げ、アズサを見る。
「よくも、私の旦那さまを悪く言った上に、私の事をもてあそばれる、浅はかな女扱いしてくれましたね。」
「それは!こんな女タラシな男は源家に相応しくないでしょう!こんな奴と比べたら俺の方が何倍もいい男ですよ!」
リュウセイはこの状況でアズサを落とそうとしているのか、キメ顔をしていた。
「・・・何処がですか?リョウ以上の男性なんていませんよ。柴田、この男は非常に不愉快です。二度と再起も出来ないよう手配しなさい。」
「かしこまりました。命の有無は如何にしますか。」
「生きて苦しませなさい。ただし、歯向かうようなら闇に消えてもらってもかまいません。」
「はっ!来い、姫様や若に失礼だ!」
「し、柴田さん、待ってまってくれ、まだ話は終わってない!いたい、いたい!髪を引っ張らないで!」
柴田は髪を引っ張り、引きずっていった。
「はあ、濃いヤツだったな。」
「リョウくん、気持ち悪かったよぉ~」
ミウは半泣きで抱きついてくる。
「よしよし、怖かったな。しかし、ミウの持ち歌がだいぶ減ったね。」
ミウをなだめながら、聞いてみる。
「うん、ちょっと問題があるのは・・・5ヶ月後のコンサートかなぁ、何を歌おうか・・・」
「仕方ない、俺が曲を作るよ。何曲いる?」
「15曲は欲しいかも・・・」
「15曲かぁ~まぁ、いいか、ミウは完成した歌からレッスン始めてくれる。あと、バックミュージシャンにも弾けるように手配しておいて。」
「リョウくん、もうひとついいかな?」
「なに?」
「ギターはリョウくんにお願い出来る?」
「仕方ないなぁ、ミウのワガママを聞きましょう。」
「やった♪」
ミウは泣き止み、上機嫌になる。
泣き止んだ事に一安心していたら・・・
キサクが凄い勢いで駆けてくる。
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