第327話 大量作曲

「リョウくん!!15曲もいきなり作れるのかい!」

キサクさんが問い詰めてくる。

「キサクさん!ま、まあ何とかなるかと。アキラくんが書き留めてくれた曲の中にいくつかポップスもあるし。」

「なに?アキラくんが幾つか持っているのか!」

「まだ、未完成ですけど。」

キサクはアキラを呼ぶ。


「アキラくん!君はリョウくんの曲を持っているのかね。」

「キサクさん、持ってますよ。ただ、未完成で少し足りないのばかりですが。」

「見してもらってもいいかな?」

「ダメですよ!先生の許可なく見せる事なんて出来ません!」

「リョウくん、いいよね!」

「あーアキラくんがいいなら見してあげて。」

キサクがアキラに向くと、アキラは笑顔で、

「わかりました。では、キサクさんお断りしますね。」

「何でだい!リョウくんの許可は出たじゃないか!」

「先生が僕の判断で決めていいとおっしゃったので、僕の判断で見せません。」

「何でだい!」

「先生の未完成品を見るのは僕だけで充分です。キサクさんは完成してからお聴きください。」

「・・・さては、独り占めしてるな。」

「ナンノコトカナァー」

アキラは眼をそらす。

「見せなさい!」

「嫌です!先生と僕との秘密なんです。」

キサクは強くアキラに迫るが。

「キサクさん、アキラくんから無理やりは止めてください!」

俺はキサクさんを制止する。

「リョウくん。」

「アキラくんが書いて無かったら残って無いもの何ですから、見せる見せないはアキラくんの判断を尊重します。あっ、アキラくん、俺には後で見してね。」

「モチロンです。先生が見ないでどうするんですか。」

「まあ、ということでキサクさんは諦めてくださいね。」

「ぐぬぬぬ・・・」

キサクは悔しそうにアキラを見つめる。


「さて、こうなってくると時間が惜しいな。此処ってピアノや楽器ある?」

俺は宿のスタッフに聞く。

「ピアノはございます。しかし、他の楽器は・・・」

スタッフの答えにアズサが被せてくる。

「リョウ、すぐに用意するから問題ないよ、それより、身体はちゃんと休めること!」

「でも、ちょっと根を詰めないと。」

「ダメです!リョウは身体を休める必要があるのに忙しく色々始めるんだから!休養はちゃんと取ってもらいます。」

「・・・はーい。アキラくん、悪いんだけど、曲の書き留め頼めるかな?」

「はい!任してください!」

「それなら、ミズホさん、リョウとアキラの体調管理をお願い出来ますか?」

「わかったわ、私が見張っておくね。」

「お願いします。私やミウさんは学校あるからあまり来れないの。」

「うん、その為にいるんだし!」

「リナもいるよ。」

「そうね、でも、リナちゃんはリョウに強く言えないでしょ?ここはリョウくんに逆らってでも止めてくれる人が大事なの。」

「仕方ない、リナはお兄ちゃんに強く言えないもん。」

「あ、あの!私も残って御主人様のお世話がしたいです!」

意を決したようにマイが志願してきた。

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