第300話 世界最強!

「じいちゃん!なんで、ここに!」

「ミウの頼みじゃからのぅ、嫌いな飛行機に乗ってきてやったわい!!」

じいちゃんの怒りがこっちに向く!

「じいちゃん、飛行機に乗れたの!」

「乗りたくはなかったが、仕方あるまい。瞑想して乗りきったわ!」

「アキラさん、話は後に、子供達はどうやら異国の牛も仕留められないようで。」

「あの程度でか?情けない。」

「ちょい!結構頑張ったよ。というか牛扱い!」

「殺れジロウ。」

「御意。」

ジロウは天井から降りるなり、斧を振るうミノタウロスに向かい、振り回す斧を受け止め。首を引きちぎった。

「・・・何あれ?ダイキ、お前の親父さん人間かな?」

「リョウ聞くなよ、俺もそう思うんだから。」

「この程度か?ダイキ、訓練が足りんな。何故仕留めれない!本気の戦場はこんなものではないぞ!」

「ダイキ・・・お前帰ったらジロウさんに鍛えられそうだな?」

「それが地獄かもしれん・・・」

ダイキと話していると、奥からの気配に気づく。

「・・・ジロウさん!気をつけて奥から三匹来てます!」

奥から三匹、先程より大きいのが来た。

「三匹か?」

「ジロウ、手出しせんでいい、ワシが殺ろう。技を使って仕留めれん未熟者にホントの奥義を見せてやるわ!」

「じいちゃん、なんで俺が使ったのわかるの!」

「動けんその姿を見ればな。いいか、リョウ、奥義と云うのは使ったら必ず始末しろ、その為の技だ、傷をつけたらいいわけではない!」

「じいちゃん!」

じいちゃんの後ろからミノタウロス三匹が近付き射程に入ろうとしていた。

「桐谷流奥義、椿!」

後ろから来た1匹に振り向き様に居合いを振るう。

「続けて桐谷流奥義、楓!」

抜いた刀を反転させ、円を書くように振るう。

「仕舞いじゃ。」

カエシで刀を拭い納刀する。

刀をしまった瞬間、三匹の頭が落ちた。

「自己暗示もいらないのかぁ・・・」

「リョウ、まだ暗示なんかを使っているのか!さっさとワシの領域にこんか!」

「無理です!」

俺とじいちゃんが話しているとジロウさんが間に入ってくれた。

「アキラさん、相変わらずの腕前ですね。」

「いやジロウ、ワシも歳じゃな、威力も速さも遅くなってしまったもんじゃ。」


「リョウ、お前の爺さんこそ人じゃないぞ・・・」

「俺もそう思うよ。」

「まあ、一段落したから帰ろうか。後ろで腰抜かしている6人も連れて帰らないといけないし。」

「それなら忍衆も近くまで来てますから彼らに連れて行ってもらいましょう。」

「そう?ならそうしようか。でも。その前に、この中にアベルさんいますか?いなかったら、アベルさんを知ってる人でもいいんですが?」

「ぼ、ぼくが、アベルだ・・・君たちはいったい?」

「えーと、レーアさんの依頼で救助に来ました。」

「妹の・・・」

「ヤバイ所に入ってから行ったと情報がありましたから急遽突入してきました。」

「あ、ありがとう。お陰で助かったよ・・・でも、妹の依頼と言うことはこの後はボクに従ってくれるんだよな?君たちに頼みたい事がある!」

「却下!俺達はお前をレーアさんの所に連れて行くだけだ。」

「そんな事を言うと報酬を出さないぞ!」

「ヒロキ、これって報酬あるの?」

「ないな。悪い慌てて煮詰めて無かったよ。」

「らしくないが、俺も報酬関係無しで受けたからな。」

「それなら、今後従えば報酬を出してやるぞ!」

「失礼ですが、今回の救出費用をお支払出来るのですか?」

「えっ?」

「我々は費用を無視してリョウ様の為に最高のサポートを行いました。リョウ様に報酬で従えと言うのでしたら請求を貴方に回しますが?」

「ふん、それぐらい払ってやるさ!いくらだ!」

カエデが前に出てきて。

「日本円ですが二十八億円ぐらいでしょうか?」

「・・・なんでそんなに懸かっているんだ!」

「先程も見られたと思いますが、この場に世界トップの剣士、闘士、ガンマンが揃っておりますし、この遺跡を自由に調査するために費用が必要でした。あと、消毒、罠の解除に日本からトップの傭兵団が多数来てます、表に出ればわかりますが医療関係も世界トップ、その他の設備もトップクラスを用意しております。それにリョウ様、源グループの婿様に支払う費用は安くありませんよ。二十八億円も安く見積もってると思いますが。実際の費用を聞いてみますか?」

「そんなに払えない・・・」

「でしょうね。」

「俺は契約してないからそんなの無効だ!」

「勝手な人ですね。勿論私共も払って貰う気などありませんが。それならリョウ様に命令するのはお止めください。非常に不快です。」

俺はカエデの肩をつつき。

「カエデ、機嫌悪い?」

「リョウさまに命令するなんて、許せないでしょ!」

「カエデ。わかってる。お兄ちゃんに命令なんて許さない。」

「リナも落ち着いて。」

「そういう事ですから、アベルさんの言うことを聞く気はありません。」

「・・・でも、俺が帰らないと依頼が失敗になるんだろ?」

「別に連れて帰りたければ手足を折って連れて行くし、そもそも、俺が受けた依頼でもないから。ヒロキどうする?」

「アベルさん、俺達に何をさせようと?」

「この遺跡の調査だ!破壊王ならわかるだろ。あんな神話の化物も出たんだ、この遺跡の価値は半端ないぞ!」

「・・・」

「たしかに俺が力不足なのは認めるが、この謎に迫るのは考古学者として当然だろ!」

「アベルさん、選べ。このまま死ぬか?俺達とドイツに帰るか?」

「このまま死ぬとは・・・」

「この遺跡のトラップはお前に何とか出来るレベルじゃないだろう。そして、俺達はこのまま撤収する。」

「破壊王、俺達が調査出来るのは最初で最後だぞ!後はこの国の研究者が好きに調べて自分の手柄のように話すだけだ!」

「俺も調べたいのは山々なんだが、今回友に無理に着いて来て貰っている。これ以上は頼めん。」

「俺が死んだら、レーアとの依頼はどうするんだ!」

「正直に言う。1度は助けたが、本人の意思で奥に行ったと。残念だが死にたい人まで助ける事なんてやる気はない。どうする?」

「・・・君は妹になんで雇われたんだ?」

「困った時に助けて貰ったからだ。一宿一飯の恩義がある以上、頼みの1つは聞いたが、これほどになるとは予想外だった。」

「・・・わかった、ドイツに帰るとする。」

「それはよかった。出来れば生きて連れて帰りたい所だからな。」

「ヒロキ~話はまとまったか?そろそろ外に行こうか。」

俺達は取りあえず外に出ることにした。

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