第285話 ドイツに到着

「おはよ・・・あれ?ホテルじゃない?」

「くくく、お目覚めかリョウ。」

「ダイキ?ここは・・・まさか?」

「そのまさかだね、リョウの好きなお空の上だぞ。」

「・・・コレハワルイユメダ、ソウニキマッテル。」

俺はかけられていた毛布を頭から被る。

「リョウ、現実を見ろよ、逃げても変わらないぞ。」

「にゃぁ~、なんで空におるの?」

「事態から逃げるためにな、急遽だったから取りあえず、ドイツに向かってる。」

「日本でもないの?」

「違うな~日本に行くのは時間がかかるからな、取りあえずの待避だ。」

「やだ、もう降りよ、俺も元気だし、みんなもいるからクレタ島ぐらい破壊しよ。」

「なんで飛行機乗るのと島を破壊するのが同じなんだよ!」

「だって、飛行機だよ!」

「そうだよ、お兄ちゃん大丈夫?お兄ちゃんが望むならクレタ島なんて消滅すればいいと思う。」

「そうだよねリナ!」

「はいはい、リョウ兄ダメだからね。ほら落ち着いて。」

「落ち着けない、もう、降りよ。」

「安心しろ、残念だがもうドイツだ。」

「よかった・・・ミズホ降りるまで手を繋いでていい?」

「いいよ♡」

「リナも~」

俺は2人と手を繋ぐ。

「リョウ、情けない姿だな。」

「ダイキ、あとで覚えてろよ、」

その時、飛行機が揺れた。

「にゃぁぁぁぁーーー!!」

「お兄ちゃん落ち着いて!」

「リョウ兄!大丈夫だからね。」

「ムリムリ!!もうやだぁ~」

「ダイキ、リョウは飛行機弱すぎないか?」

「重症だねぇ~アキラさんにバレたら折檻されるだろうに。」

カシャカシャ!

「ダイキなんで写真をとる?」

「いい交渉材料になるからな。」

「リョウに怒られるぞ。」

「いつもの事だ、俺達は弱みを見せるとつけこまれるのさ♪」

俺は余裕がなかった為にダイキに弱みを握られてしまった。


「それでここは何処なんだ?」

やっと飛行機から降りれた俺は何処に着いたか聞いてみる。

「ミュンヘンだ。」

「おーここがか!聞いたことはあるよ、レトロな感じがお洒落だね~」

「ビールが上手いんだ、リョウとヒロキも飲むよな。」

「いいね。いくか!」

「ちょっと、私達置いて行かないでよ。」

「ごめん、ミズホはいいとして、リナを飲む場に連れて行くのは不味いか?」

「問題ないよ、それにこの辺は知ってる人もいるから。」

「なら、いいか。ダイキ、軽くやろうぜ♪」

「おう!あそこなんて雰囲気よくないか?」

「俺は飲めたら何でもいい。」

「ヒロキはこれだからな、もっと雰囲気を楽しめよ。」

「そんなことより、せっかくドイツに来たんだ何か遺跡はないか?」

「お前はそればかりだな、飲むときは飲むのを楽しめよ♪」

「リョウが海外にいる機会なんて次にいつあるかわからないんだ!」

「まあまあ、コイツはしばらく帰れないんだから、ユックリこき使えばいいんだよ。」

「ダイキ、酷くないか?それに迎えは来るはず!」

「迎え?」

「マタに連絡して、船をまわしてもらうさ。」

ふと意識を店内にむけると

「君、可愛いね、日本人?よかったら一緒に飲も?」

「わ、私、彼がいますので!」

ミズホは俺の腕にしがみつく、

「あれ?ミズホどうしたの?」

「な、ナンパされちゃって。」

「あーミズホ可愛らしいから。」

「えっ?」

「それが彼かい・・・リョウ?」

「あれ?俺の事知ってるの?」

「リョウ! ミュンヘンに来ていると言うことはバイエルンに加入か!」

「へっ?」

「おい、みんなを集めろ!リョウがいるぞ!」

「いや、加入って何の話?」

「おーノメノメ!リョウが入るなんてな♪」

「お客さん。」

「マスター?すいません騒がしくして。」

「かまわん、どうせコイツらはいつもの騒がしい。ただ、このドイツのユニフォームにサインを貰えないか?」

「えっ?」

「店に来た記念に飾らして欲しいんだ。」

「俺、1試合しかも練習試合しか出てませんよ。」

「それでもだ、あんなプレーを見してくれたんだ、ドイツ国内にはファンは多いぞ。早く公式戦にも出て欲しいものだ。」

「いや、まだ、問題もあるというか・・・」

「マスター抜け駆けはズルいぞ!俺達もサインが欲しいぞ!」

「はっ!バイエルンじゃないなら、今度のイングランド戦か!クラップ監督が招集したんだな!」

「ケガしたシュナイダーの変わりか、確かに予選が厳しくなったからな。」

「応援に行くからな!」

「リョウ!頼む、俺達をワールドカップに連れていってくれ!」

それから、大騒ぎで飲み会が続く。


「ふぅ、やっと終わった~」

「リョウ兄飲み過ぎじゃない?」

「まあ、俺はそこまで飲まされなかったけど、2人はね。」

グデグテになってるダイキとヒロキがいた。

「ホテルもとってないしどうしよ?」

「私に任せて。」

リナは何処かに電話した。

すると、しばらくして迎えの車が来た、

「お待たせいたしました。リナさま。」

「ううん、それよりみんなを乗せて案内してもらえる?」

「かしこまりました。」

俺達を乗せた車は大きな屋敷に着いた。


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