第276話 ついに発売

「ただいま、帰ってきました。」

マイちゃんが祖父のもとから帰ってきた。

「もっとゆっくりしててもいいんだよ?」

「いえ。ご主人様にお仕えしないと。」

「う~ん、マイちゃんがそこまで気にしなくてもいいんだけどなぁ~」

「私がしたいんです。」

「まあ、気のすむようにしていいけど。」


マイちゃんを迎えたあと、居間でくつろいでいると。

「ご主人様、CDの発売おめでとうございます。」

CDの発売日の発売時間がきたらしかった。

「ありがと、今日だったっけ?」

「はい、今発売されましたよ。」

「売れるかな~」

「売れますよ、事前予約も売りきれてましたし。」

「う~ん、ちょっと不安だなぁ~」


マイちゃんと話しているとアキラくんも部屋にやってくる。

「先生!CD発売おめでとうございます!」

「アキラくん、ありがと。」

「あれ、反応がうすいなぁ、覚えていたんですか?」

「私が先に言いましたから。」

「あれ、そっちのメイドさんは?」

「マイと申します、ご主人様だけにお仕えする。メイドです。」

「先生、ボクと同じぐらいの子をメイドにするなんておかしいよ!」

「私がしたくてしてるのです。」

「うー先生が望むのなら、ボクもメイド服きる!」

「着なくていいから!別に俺の趣味じゃないよ。」

「ご主人様、可愛くないですか?」

「いや、マイちゃんは可愛いけど。」

「うーならボクもー!」

「アキラくんも可愛いから!ねっ、小学生のメイドを2人も横に置くのは俺の良心が持たない。」

「でもー!」

「それよりアキラくんCDの評判わかったら教えてね。 」

「はい、今のところ悪い評判はないですね。絶賛のコメントが多いですよ。」

「まだ、売り出したばかりだし。」

「ご主人様、それなら売場を見に行って見ませんか?」

「売場を?」

「はい、実際CDショップで売れてる所を見る方が安心できるのでは?」

「いいねそれ、よし行こう!」

「お供しますね。」

「ボクも一緒に行くよ。」

2人を連れて、CDショップに・・・

「品物自体置いてない!」

「先生、そこ違いますよ。」

俺は新譜エリアを見ていたが、アキラくんに別のところに案内される。

「なんでレジに?」

「レジ前に特設エリアがあるんですよ。」

「あれか・・・やっぱり品物がない。」

「売り切れですよ!」

「アキラくん、慰めはいらないよ、きっとあまり入荷されなかったんだよ、ねぇ店員さん。」

俺はそこにいた店員さんに話をふった。

「えっ、ええ、そうですね。入荷数が少なかったのは確かですね。」

「ほらね、きっと今頃倉庫は在庫の山で・・・」

「在庫の山?そんなところがあるんですか!すぐに入荷しますので教えてください!」

「て、店員さん、なにいきなり!」

「教えてください!あるだけ入荷しますから。」

「いや、確認して話してる訳じゃないし、たぶん返品されたりしてるかなと。」

「そんなわけないじゃないですか、どの店も取り合いですよ、しかも、二次生産分も入荷が決まらなくて困ってるのですから。」

「そうなんだ・・・」

「って?あれ、もしかしてリョウさん本人ですか?」

「・・・そうですね。ちょっと売場を確認しに来たのです。」

「ちょっと!待ててください!!店長!!一大事です!」

店員さんは奥に走っていった。

「パワフルな人だね。」

「先生、迂闊にしゃべるから・・・」

「でも、売れてるようでよかったよ。在庫の山は見たくないし。」


「リョウさん!来店ありがとうございます。」

「店長さん、邪魔にならないようにすぐに帰りますから。」

「いえいえ、ゆっくりしていってください、それで本日はどのような?」

「始めてのCDなので売れかたを見に来ただけですので、もう帰りますよ。」

「それなら、サインをいただく事は出来ませんか?」

「サイン?ミウはいないけど?」

「ミウさんのサインではなくて、リョウさんのサインをいただきたいのです。」

「俺の?書いたことないけど?」

「是非に!」

「まあ、サインぐらい、いいけど。」

「それなら、これに。」

店頭に飾っていたポスターを持ってきていた。

「此処に書いたらいいの?」

「お願いします。出来れば何か一筆いただけたら~」

「うーん、『来店記念。応援よろしくお願いします。RYO』これでいいかな?」

「先生無難にしたね。」

「書くことなんて、思い付かないよ。」

「ありがとうございます。それで書いてる動画も流していいですか?」

「今とってたの!あちゃ~変な事してなかったよね?まあいいか、流してもいいよ。」

「ありがとうございます!!」

店長に見送られ、俺達は店を後にした。

「先生よかったんですか?だいぶあの店にサービスしましたよね?」

「えっ、そうかな?まあ、俺のCD置いてくれてたから、嬉しくて。」

「たぶん、すべてのCDショップにありますよ。」

「・・・他は見に行かないから大丈夫。」

「気を付けないと、お店に行けなくなりますからね。」

「うん、気をつけておくかな?」

「それより量産しないとダメかな?」

「それはミウさんが手配してましたよ。」

「さすが、ミウだね♪」

「でも、初回とパッケージ違うんですよね?」

「そういえば、そんなことあったかな?」

「先生、取合いが凄くなりますよ。」

「そう?」

「ネットの高騰が目に浮かぶような。」

「高騰したら初回パッケージで出してやる。」

「それ、初回の意味なくなりますよね?」

「転売屋にもうけさせるのはいや♪」

「先生なんでわけたんですか?」

「えっ?なんか初回ってそんな感じじゃん、それにこんなに売れるとは思ってなかったし。」

「先生の曲なら、売れますよ。しかも、ミウさんが歌ってますし。」

「う~ん、実感はないんだけどね。まあ、ミウの力が大きいよね。」

「先生の力もありますよ。自信を持ってください!」

「ありがと、さぁうちに帰ろうか♪アキラくんにピアノ指導してあげるよ。」

「いいんですか!」

「いいよ。せっかく家にいるんだしね。」

俺達は家に帰っていった。

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