第229話 試合の後
試合終了後
「さすがミウ様のチームです。完敗です。」
キミヒコさんが挨拶に来ていた。
「いや~キミヒコさんのチームは強かったよ。ダイキがいなかったら負けてたよ。」
「あの人何者ですか?俺達ユース出身のシュートを受けて1つも入らないなんて。」
「あー銃弾受け止めるような奴だから、サッカーボールぐらいならね。」
「へっ?」
「まあ、非常識な奴だよ。」
「それにあの女の子はなんですか?天才すぎますよ!」
「リナには俺も驚いたよ、あんなに出来るとは思わなかった。」
「日本代表とか目指さないのですか?」
「うーん?見ての通り日本人じゃないから国籍はドイツかな?」
「兄妹じゃ?」
「その辺はちょっと複雑なんだ。」
「あーすいません、ご家庭の事情はいろいろですからね。」
変に誤解されたみたいだが、まあいっか。
「リナ、サッカー選手目指す?」
「興味ない、お兄ちゃんと一緒にいる。」
「ということでサッカー選手にはならないみたいです。」
「もったいないですね。女子とはいえバロンドールも目指せますよ。」
「本人の意思が大事ですからね。」
「リョウさん!カッコよかったですよ。」
「マイちゃん、おつかれ。いいドリブルしてたね。」
「キミヒコさんに教えてもらったんです。でも、ミウさんに取られてしまいました。」
「ミウも反射神経いいし、仕方ないよ。」
「そうだよ、マイちゃんがあんなに上手くてビックリしたよ。」
「ミウさん、うーくやしいです。ドリブルが成功してたらリョウさんに撫でてもらえたかも知れないのに。」
「いやいや、対戦相手だからね、成功されても困る。撫でてもらうならキミヒコさんにだろ?」
「ありえません。でも、撫でてくれないんですか?」
「まあ、いいよ、今日はお疲れ様。」
俺はマイを撫でるが、ミウも頭を横に持ってきた。
「ミウも撫でてほしいの?」
「うん♪マイちゃんだけじゃ不公平だよ。」
「まあ、いいよ。」
両手で二人の頭を撫でていると、
「あー二人ともずるい!リナもー」
「リナ、少し待ってもらえる、今二人を撫でてるから手が足りないんだよ。」
「むーーーー!じゃあ、ここ。」
リナはリョウの胸元にピタリと張りつく。
「「あー!!」」
「リナ、汗がつくからやめなさい。」
「お兄ちゃんのだからいいよ。」
「俺がよくないの。」
「いいの~それに私の汗もつくからお互いさまだよ。」
「それもよくないの、さあ、着替えてきなさい。」
「むー。」
「ミウとマタも着替えておいで。」
「はーい、リナちゃん行こ、シャワー浴びて綺麗になってリョウくんに褒めてもらお?」
「うん♪」
「あれ?ミウさんシャワー室こっちですよ?」
「私達、あそこのキャンピングカーでシャワー浴びるの、一応芸能人だから盗撮対策しとかないとね。マイちゃんも来る?」
「いいんですか?」
「アズサさんの車だけど、いいと思うよ。」
「じゃあ、お言葉に甘えます。」
女の子四人は車に向かう。
「ダイキ、ヒロキ、俺達もシャワー浴びるぞ~」
「おう!行くか。」
俺達三人はシャワー室に向かう。
シャワーを浴びながら・・・
「リョウ、後で解読してもらいたいものが・・・」
「えーめんどくさい~昨日やったから今日はいいだろ?」
「頼むよ、お前しか読めないんだから。」
「単純な文字なのになんで読めないんだ?」
「これを読めるお前が変なんだ、どうやって読んでるんだ?」
「文字の雰囲気で伝わってこない?象形文字は書いた人の意思が伝わってきて読みやすいだろ?」
「はぁ、まったくわからん!なぁ、考古学を専門にしてみないか?お前なら古代の謎を解ける!」
「いや!たまに協力はするけどそればっかりはしたくない!」
「そんなこというなよ。漢のロマンを感じないか!」
「ぜんぜん!」
「お前は夢がないのか!」
「俺の夢はそこにないだけだ。」
「むーーーー!」
「やめろよ!気持ち悪い。」
「おかしい、リナがやったら言うことを聞くのに。」
「お前な、男がやることじゃないだろ?それにたまには協力してるんだから、我慢しろよ。」
「はぁ、おまえが現地にきてくれたらどれだけはかどるか。」
「あきらめろ。」
「そうだぞ、ヒロキ。リョウに言うことを効かすコツは貸しをつくる事だ。」
「ダイキ、それは言っちゃあかん、俺が逃げれなくなる。」
「リョウは律儀だからな、貸しと引き換えなら嫌なことでも引き受けてくれるさ。」
「リョウ、今なにか困ってることないか!俺が解決してやる。」
「ヒロキ何もないから安心して。」
「そんな~」
「ダイキもいらんこと教えるなよ!」
「ほんとの事じゃん、それより写真消せよな。」
「俺は消したよ。」
「じゃあ、アズサさんとリナの写真を消すのに協力してもらおうか。」
「仕方ない、約束だし、交渉するよ。」
「よし、これで証拠隠滅だ!」
「どうせ、すぐ写真なんてとれるのに。」
「次は撮られたりしないよ!」
「浮気しないとは言わないんだな・・・」
「そこに女がいるかぎり、無理なんだ。」
「はぁ、お前らもっと女性関係を綺麗にしろよ。」
「「俺は大丈夫!」」
「ホント、似た者同士だな。」
俺達はシャワーを終え、ミウ達と合流する。
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