第228話 決勝戦

「おい、あれミウじゃね?」

「えっ、フットサルするの?」

決勝戦、ミウの参加により会場がざわつきだす。


「マイちゃん、今日は楽しもうね。」

「はい、がんばります。」


「そっちは女の子三人で大丈夫?」

「ああ、気にしないでください。それより、いい試合をしましょうね。」

「お互い頑張ろう。」

俺はキミヒコさんと握手して、試合を開始した。


キミヒコさんによると向こうの四人はサッカーの経験者でユースに所属していた人達らしい。上手すぎて、経験者のマタでも太刀打ち出来ていなかった。

しかし、相手もシュートは打つがダイキの守備を破る事は出来ず。前半終了時、0対0で折り返していた。

「リョウ、ごめん。ボクの所狙われてるよね。」

「いや、謝ることはないけど、一方的なのは面白くないね。よし、マタ、ミウ守備気味に下がってもらえる?リナは前に残って、カウンター狙おう。ダイキも取ったらすぐリナに渡して。」

「りょーかい。」

そして、後半、相変わらず、一方的にやられていたがどれだけ打たれてもダイキは防ぎきっていた。

「リョウ!」

ダイキがボールをハジク時に俺の方にハジク、そして、俺はノートラップでリナに!

「リナ!」

しかし、そのボールは高すぎてリナの身長では届かなかったが・・・

リナは落下地点に走り出し、そのままオーバーヘッドでゴールを決めた!

「リナ!すごいな!やったよゴールだ!」

「うん、お兄ちゃんがくれたパスだもん、ちゃんとゴールしたよ。」

「よくやったね。」

俺はリナを抱き締め、頭を撫でる。

「むーーー!リョウくんはリナちゃんを甘やかしすぎです。」

「リョウさん、試合、始まりますよ。さあ離れて、はーなーれーてー」

ミウとマイちゃんが引き離す。

「そうだね、リナもう1点いくよ。」

「うん♪そしたらまた褒めてくれる?」

「もちろんだ!」

「リナがんばる!」



「・・・ミウさん、あの子は誰なんですか?」

「リョウくんが昔拾った捨て子、妹のように可愛がってるの。」

「ミウさんはそれでいいんですか?」

「あの子は妹の座を狙ってるだけだから・・・でも、あの距離感はうらやましい。」

「わたしも抱き締められたい・・・」

「マイちゃん、ダメだよ。もっと普通の恋愛しようよ。」

「ミウさんこそ、諦めてもいいんですよ。」

そこにボールがマイの元に、

「ミウさん!抜かさしてもらいますね。」

マイはドリブルを仕掛ける、フェイントも混ぜた、なかなかいいドリブルだが。

「マイちゃん、甘いよ。」

ミウはマイのボールを弾く事に成功したが・・・

「ミウさま、いただきます。」

キミヒコにルーズボールをとられた。

「惜しいね!」

キミヒコはミウの方に意識がそれていたので

そこに俺が、

「油断だよね~」

ボールを奪い今度はグラウンダーのボールがリナに渡る。

ゴールに背を向けた状態に相手キーパーがリナの前を塞ぐが・・・

リナはトラップでボールを浮かせキーパーの頭を越えさせ、裏に抜けたボールを回り込んだリナがゴールを決める。

「お兄ちゃん!」

リナが笑顔で俺の方に向かってくる。

「リナ!」

俺はリナを抱き締め。

「リナ凄いな、いつの間にあんなに上手くなったの!」

「リナ、お兄ちゃんの好きな事は全部できるよ。だからいつも一緒にいよ?」

「うー可愛い奴だ。」

俺はリナの頭を撫でる

「うにゅ~もっと~」

「ほれほれ♪」

「うにゅ~」

「リョウさん、女の子を撫で回していたら捕まりますよ。」

「はっ!そうだった!ありがとうマイちゃん。」

「むーもっとー」

「リナ、まだ試合があるからね。」

「むーじゃあまた点決めるもん!」

リナはそう宣言したが結局そのまま試合は終了した。

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