第225話 1試合
1試合目
「リョウくん!頑張って~♪」
「負けちゃダメだよ~」
アズサとミウの応援の中、センターサークルに並ぶ。
ポジションは
キーパー、ダイキ
バック、ヒロキ
右サイド、マタ
左サイド、リョウ
トップ、リナ
で行う事にした。
「おっさん達、なんでミウさまの応援を受けているんだよ。」
「おっさん・・・」
「なんだてめぇーリョウがおっさんとは・・・良いこと言うな。」
「ダイキ!お前も同じ歳だろ!」
「俺はまだ若いし、お前みたいに加齢臭しないもんね。」
「俺もしてないわ!」
「そうだよ、お兄ちゃんはいい匂いがするよ!」
「・・・俺、臭うのか。」
「そんなこと、どうでもいいんだよ!なんでミウさまがあそこでお前達を応援してるか聞いてるんだよ!」
「えっ、知り合いだからに決まってるだろ?」
「コイツの婚約者だぞ、ニュースになってたじゃないか。」
「くっ!ホントにいたのか!てっきり男避けに作った話題かと・・・」
「あーそんな風に取ってたんだ、」
「許せん!ふざまに負ける姿を見せてフラれてしまうがいい!」
相手は何か燃えている中、試合が始まる。
試合が開始されると相手の強さがよくわかる、俺達と違いパスワークがしっかりしており、近付く前にパスを出され、ワンタッチで回したりするため守備が追い付いていなかった。
そして、フリーでシュートを打たれる。
「一点目!」
威力のあるいいシュートだった。
パシッ。
ダイキは片手でキャッチする。
「リョウ、なにサボってやがる。ちゃんと守備しろよ!」
「ヒロキに言えよ!」
「アイツは別の事考えてやがる!」
「殴って起動させておいて。」
「もちろんだ、その前にホレ攻めてこい。」
ダイキはボールを投げ、マタに渡す。
「はいはい♪」
またはチョコマカとドリブルをする。
「はやっ!おい、止めろ!」
DFが近付くと。逆サイドにパスを出す。
「リョウあげる。」
「あいよ、リナ行くよ。」
リナは子供と言うこともあり、ノーマークでペナルティエリア手前に立っていた。
「お兄ちゃん♪早く♪」
そして、リョウのクロスに合わせ、ゴール左上に蹴りこむ、コース、威力申し分のないシュートだった。
「くっ!」
キーパーは手を伸ばすものの、届くことなくゴールが決まった。
「お兄ちゃんやったよ♪」
「凄いなリナ♪」
「うん、前にプロの人に教えてもらった。」
「プロの人?ドイツの?」
「うん、代表になってるって言ってた。名前はクローズって言うの。」
出てきた名前は現在ドイツ代表の得点王だった。
「・・・うらやましい。」
「うん?それならお兄ちゃんも教えてもらお?」
「頼めるの?」
「うん、後で連絡してみる。」
「ダメもとでいいから頼んでみて。」
その後は・・・
大学生はどれだけフリーで打ってもダイキのゴールを割ることができず、リナにボールがわたると全て決められるといった展開で試合は20対0となり終了した。
「お兄ちゃん、リナね、点沢山取ったよ♪」
「凄いね、リナ。」
俺はリナの頭を撫でる。
「うにゅ~もっと~」
「あっ、こら顔を擦り付けるな、汗がつくだろ。」
「お兄ちゃんの匂い~♪」
「こら、ちゃんと立ちなさい。」
「はーい。」
そして、整列し挨拶をして終わったが大学生達は凄く悔しそうに此方を睨んでいた。
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