第207話 源グループ

源グループ内では・・・

「おい、聞いたか!若が我等に曲を作ったとか。」

「ははは、何を騒いでいるんだ、若が趣味で作ったもので騒ぐなよ。」

「違うんだって、完璧すぎてどう取り扱うかで上が揉めてるらしい。」

「なに?そんなにすごいのか?」

「四楽章からなる本格的なピアノソナタで音楽家の人の評価も高いらしい。」

「なっ!」

「それを若は『源家臣団』とタイトルをつけて提供してきたそうだ。」

「それって・・・」

「この前の件で世話になった礼だろうと上司は言ってたけど、今弾ける人を育成しているとか。」

「・・・聴いてみたいな。」

「近々、名古屋で若を呼んで演奏会を開く予定があると言ってた。」

「行けるのか?」

「倍率が高いからなんとも言えないそうだが、上司の話だと功績で決めるとか言ってたが・・・」

「それって、この前活躍した傭兵団の勝ちじゃね?」

「いや、二部講演で傭兵団と分けて判断するとか。」

「じゃあ、俺も行けるのか?」

「お前の売上げじゃねぇ~まあ俺は候補に入ってるが。」

「なんだ、てめぇ!自慢か。」

「モチロン、今月、売上げがあがってて良かった!」

「くっ!見てろ、逆転してやるさ!」

源グループ内、特に東海、長野では熾烈な売上げ競争が起こっていた。


その頃。

「リョウくん、東海支部から演奏の依頼が来てますよ。」

「演奏?」

「この前の『源家臣団』の曲を弾いてほしいそうだよ。」

「まあ、東海支部にはいつも世話になってるし、上司として依頼は断れないね。」

「じゃあ、受けてくれるの?」

「モチロン。それまで練習しないと。恥ずかしい腕じゃやだもんね。」

リョウは久し振りに真面目にピアノに打ち込みだした。




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