第208話 世界では・・・

リョウがピアノに打ち込みだした頃。

キサクは世界に楽譜を公表した。

公表する際、リョウと著作権の話をしたが・・・

「リョウくん、著作権なんだが・・・」

「あーいりませんよ、好きに演奏してもらえれば。」

「そうはいかないだろ?リョウくんが作った曲だぞ、それにこんな名曲、莫大な資金が手に入るはずだ。」

「うーん、なら『この曲を使って金を稼いだ人は孤児の為に寄付してください。』っていうことで。別に寄付しなくても罰則なんかはいりません只の努力目標ぐらいで。」

「リョウくん、そんなのでいいのかい?リョウくんが稼いでその中で寄付すればいいのでは?」

「この曲は孤児だった女の子が歌う姿を見て出来たんです。なら孤児に還元するべきかなと、それになるべく多くの人に使ってほしいですから、お金で制限したくないですし、裕福な人が稼いで、寄付してくれたらなぁ~ぐらいでいいですよ。」

「わかった。リョウくんの気持ちを受けとるよ。」


キサクはリョウの言葉を発表する時につけくわえた。

1楽章の弾きやすさ、2楽章、3楽章と段階ごとに難しくなる難度もあり、練習曲として流行り、またプロの音楽家も演奏会に使用しだした。

その際、アメリカの大物ピアノ奏者トーマスが、

「私はリョウの心意気に同意する、この曲で手にする金は全て孤児に寄付しよう。」

とマスコミを使い世界に発信した。その事で音楽家の中では金額の差はあれど孤児に寄付する流れができていた。


そんな中でリョウはピアノの練習をしていた。

その側には曲のモデルのリナがリョウを見つめてずっとピアノを聴いていた。

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