第144話 婚約者増える

婚約の経緯をばあちゃんから聞いたが・・・

「ばあちゃん、流石に今更でしょ?せめて俺に教えておいてよ。」

「あんたに記憶する脳ミソがついているのかい?」

「ひでぇよ。」

「それにこの話は流れると思ってたしね。」

「なんで?」

「サエちゃんが魅力的に育っていったから、リョウなんかの事は忘れてるものだと。」

「さらにひどくない?」

「それなのにずっと一途に想い続けてね、それなのにリョウの奴は次々に女を引っ掻けて、わたしゃサエちゃんが不憫でねぇ~」

「知らない俺が悪いの!?」

「それでわたしが一肌脱ごうと、急遽リョウを呼び出したってわけさ。」

「おばあちゃん、でも、リョウくんは私の婚約者だよ、なんで後からとろうとするの?」

「ミウ、私はサエちゃんの後見人なんだよ。でも、いつお迎えが来るかわからないからねぇ。元気なうちにサエちゃんの道を作ってやらないとね。」

「ばあちゃん、サエちゃんもまだ若いから他にいい人見つかるよ。俺は義理も出来てるし、三人を捨てるなんて考えてないよ。」

「あんたって子は、あくまで私に歯向かうのだね。」

「俺は間違ってない!たとえばあちゃんでも筋の通らない事はのめない!」

俺は気迫を込めてばあちゃんに逆らうが・・・

ミウに裾を引っ張られる。

「リョウくん、女の子三人は間違ってると思うよ。」

「ミウ、今言わないで~~~」

せっかく込めた、気迫が抜ける・・・

「リョウ、お前婆さんとやる気か!」

爺さんが戦闘態勢に入る。

「爺ちゃん、ミウの味方じゃないの?」

「それとは話が違う、婆さんに暴力を向けるならワシが相手になってやる。」

爺さんは刀に手をかける。

「爺ちゃん、やる気か!」

俺も刀に手をかけ、互いに間合いをはかる。

「待ってください!」

サエの声が響く。

「リョウさまがお爺様と戦う必要はありません。」

「サエちゃん?」

「私もいきなり来てお嫁さんにしてくださいは流石に無理だとおもってます。でも、この想いも捨てられないんです。せめてお側においていただけないですか?」

「サエちゃん、リョウは無理に押したら何とかなるんだから私に任しておきなさい。」

「テルさま、無理にリョウさまに迫ってもそれは違うと思います。私はリョウさまの気持ちもいただきたいのです。」

「サエちゃんには悪いけどもう三人もいるし、答えられないかも知れないよ。」

「リョウさまのような方に側室がいるのは当然だと思いますわ、それにまだ正室が決まってないようですので私はそれを目指したいと思います。」

「サエちゃん、仕方ないリョウ正室はサエちゃんで決まりでいいね。」

「婆さんや、正室はミウじゃろ?」

「あんた何を言ってるの、高貴な血筋のサエちゃんが正室です。」

「なにを!」

老人二人が醜い争いをはじめるなか・・・


「また増えた~~~リョウくん一体何人増やせばいいの!」

「ミウ、俺の意志では無いよ。」

「リョウくん、いい正室は同じ武家の私でいいよね。公家さん何かに渡さないから!」

「アズちゃん、公家に何かあるの?」

「リョウさまは芸術の道にいかれ、平和にすごしましょ♪私と一緒に・・・」

「サエちゃん、俺は剣士かな~?」

「リョウさま、危ない事をするからケガをなされるのです。平和に穏やかに暮らしましょう。」

「リョウさまは私が守りますからもうケガをする事はありませんので御安心を。」

「カエデは頼りにしてるよ。」

リョウを囲み女四人で取り合いを始めていた。


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