第139話 デート中
翌朝
「おはよ、サエちゃん。さあ二条城に行こう!」
「おはようございます、リョウさま、まだ六時ですけど。二条城はまだ開いてませんよ?」
「そう?でも、早く着いたら入れてくれたり・・・」
「しませんよ。ホントにどれだけ行きたいんですか?」
「中学生の時から行きたかったんだよね。こうなんて言うの落ち着かないというか、」
「落ち着いてくださいね。なんか子供みたいですね。」
「あう!子供に子供って言われた。」
「大人ならちゃんとしてくださいね。それより!」
「うん?」
「レディの部屋に勝手に入っていいと思っているのですか?」
「レディ?サエちゃんダメだった?」
「ダメじゃないですけど、親しい者にも礼儀ありと言いますか・・・ちょっと寂しそうな顔をしないでください、怒ってないですから。」
「怒ってない?」
「はい、怒ってませんから。」
「なら、準備して早く行こう!」
「もう、ちょっと待ってください、すぐ準備しますから。」
「あい、」
「あの~着替えますので部屋から出てもらえますか?」
「あっ、ごめん!」
俺は慌てて部屋を出た。
「リョウくん、娘はまだ十歳なんだ、朝駆けはどうかと・・・」
「ソウエンさん、誤解です!ただ起こしにいっただけです。」
「女の子の部屋に無断で入るのは感心しないね。」
「すいません。」
「まあ、お嫁にもらってくれるならいいが・・・」
「ソウエンさん、その冗談はほどほどに、サエちゃんの未来はサエちゃんが決めるべきですからね。」
「わかった、わかった、サエが大きくなってからにするよ。」
ソウエンさんと話していたらサエちゃんが部屋から出てきた。
「リョウさま、準備出来ました。」
「おっ、サエちゃん可愛いね。さあ、出発しよう!」
「リョウくん、せめて朝食ぐらい食べて行きなさい。」
「うー、うん、わかった。早く食べよう。」
「はい、支度は出来てるみたいだから、食堂に食べに行こう。」
朝食を終え、俺とサエちゃんは二条城へ、
「おーこれが二条城か!」
「リョウさま、楽しそうですね。」
「うん、いや~歴史を感じるじゃん、天守閣は今はないけど、それでも御殿とかはヤッパリすごいよね。」
「私としては京都御所のほうも見てほしいのですけどね。」
「それはまた今度の機会にするよ、ヤッパリ漢は城だよ♪」
リョウは上機嫌で城を見て回る。
そのリョウ達をつけている者がいた・・・
リョウが次に向かったのは清水寺、
参道を土産物を見ながらのんびり歩いていた。
「リョウ!」
ふと呼び止められる。
振り替えるとそこには・・・ダイキがいた。
「おまえ!なんでここにいる?」
「それはコッチのセリフだ!俺は彼女とデートで京都旅行に来たけど、お前は・・・なあ、リョウ。俺達もいい歳なんだからいいかげん小さい子供を捕まえるのは止めろよ。」
「まて、ダイキ!お前は勘違いしている。俺は婆ちゃんの命令で茶道を学びに京都に来ているだけだ。この子はその師匠の娘さんで京都の案内してもらってるだけだ。」
「お前ないつもそう言って捕まえてくるじゃん。」
「人聞きの悪いことを言うな!」
「・・・それより、後ろのはお前の関係か?」
「ああ、昨日少しな、」
「なるほど、じゃあ後から行くわ。」
「ありがと、でもデートはいいのか?」
「大丈夫、ミキはこういうのも得意だからな。」
「わりぃな。」
「気にするな。」
「リョウさま、そちらの方は?」
「こいつは俺の悪友でダイキって言うんだ。」
「初めまして、土御門サエと申します。」
「ああ、よろしく。まあ、デートの邪魔しちゃ悪いからこれで。」
ダイキは離れていく。
「あの、何か失礼な事をしてしまったんでしょうか?」
「いや、気にしないで。あいつの彼女、他の女の子と話をしてると怒る子なんだ。」
「そうなんですか?」
「まあ、あとで会うから。」
「えっ?」
「さあ、清水寺に行こう。」
俺はサエと清水寺に向かった。
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