第128話 ばあちゃんの呼び出し

「リョウくん、いきなりどうしたの?」

「アズちゃん、ばあちゃんが呼んでる。何か怒ってるぽい。」

「リョウ!それは本当か!さっさと謝ってこい!婆さんは今は京都にいる。」

「なんで、京都にいるんだよ。」

「新しい家に住みたくないと言ってな、婆さんの一族に繋がる人に家を借りて住んでるのじゃ。」

「ふーん、どうしたんだろ、まあ、いいや。そんなことより、じいちゃんは怒ってる理由、何か聞いてない?」

「何も言ってなかったが・・・」

慌てる俺とじいちゃんに、ミウは。

「ねえ、何でそんなに慌ててるの?おばあちゃん優しいよね?」

「ミウは知らないから・・・」

「婆さんが怒った時は凄く怖い、あの逆らえない雰囲気はなんなんだ?」

「おじいちゃんまでそんな事言って、確かにおばあちゃんが怒った所を見たことないけど。」

「俺とじいちゃんはそれなりに怒られたりしてるから・・・」

「二人とも何して怒られたの?」

「じいちゃんは浮気がばれた時だったよね?」

「お前は習い事から逃げた時だったな。」

「二人とも何してるの・・・」

「それを聞くかぎり、お婆様はきっちりとした方なんですね。」

「アズちゃん、そうなんだよ。凄い真面目で約束事を守らない時とかはヤバイんだよ。」

「でも、リョウくん何か破ってる事あるの?」

「手紙に婚約者がいるのに他に女性を作るなんてみたいな事が書いてた・・・」

「リョウくん、一緒に怒られましょう。」

「いーやー、ばあちゃんはアカンって。」

「リョウくん、これを機に私だけにしない?」

「ミウさん、どさくさに紛れて何を言うのですか?お婆様も説明したらわかってくれますよ。」

ミウとアズサは睨み合っていた。

「そんなことはどうでもいい!リョウさっさと行くぞ!」

「あいよ、じいちゃん!」

「待ってください。」

「アズちゃん何?」

「リョウくん、忘れてるかも知れないけど、移動はドクターヘリですよ。」

「うっ!」

「・・・リョウ、先に行っている。」

「じいちゃん、逃げるな!一緒に逝こう。」

「いやじゃ、何で空にいかにゃならん!」

「俺は乗らなきゃ移動さしてもらえないんだよ。」

「そんなの知らん!ワシは新幹線で行く。」

「行かすか!」

俺は護身用に持っていた刀に手をかける。

「ほほう、ワシとやると!」

じいちゃんも刀に手をかけ居合いの体勢に。

「リョウくん!ダメだよ、何で動こうとしてるの!」

「なんでヘリに乗らなきゃ行けないか考えなさい!」

ミウとアズちゃんに取り押さえられていた。


「リョウ、京都に来たら土御門の屋敷に来い。婆さんは其処にいるからな!」

じいちゃんは逃げるように去っていった。

「まて!じいちゃん、俺も新幹線でいくー」

「「ダメです!」」

俺はミウとアズちゃんに無理やりレベルヘリに連れていかれた。

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