第126話 警察行き詰まる

警察の記者会見場

「なんか、記者が少なくないか?連絡はしたのか?」

「それが、桐谷の方も記者会見を行っているようで、そちらに向かっているのかと。」

「つくづく邪魔な奴だ!」

遠山の機嫌は悪かった、わざわざ東京から名古屋まで足を運んだにも関わらず、成果はなく、全てが上手くいってなかった。

「大変です!長官!」

「今度はなんだ!」

「け、警察のデータベースの一部が公開されています。」

「なんだと!どのデータだ?まさか被害者情報じゃないよな?アレが出ると世間がうるさいからな。」

「それが・・・」

「早くいわんか!」

「過去の冤罪事件、資金の不正使用、事件事故の隠蔽の情報です。」

「・・・なんだと!すぐに止めろ!」

「それがパスワードが変更されているのか全く操作を受け付けないのです。」

「な、なんとかしろ、そうだ電源を切れば。」

「システムがダウンしてさらに一大事になります。」

「じゃあ、どうしろと言うんだ!」

「長官、記者会見のお時間です。」

「うるさい!今はそれどころではない。記者会見は延期だ!」

「わかりました。では記者伝えてきます。」


記者会見を中止して対応を検討する。

「至急、システムの管理者を集めて対応をしろ、あとはこの件の答弁の準備だが・・・」

どう考えても、事態を誤魔化せる方法はなかった。


「リョウさま、警察は記者会見中止にしました。」

「まあ、今の状況では出来ないよね。」

「今の内に攻勢を強めよう。」

「リョウ、また不覚をとったな!」

「うん?げぇ!じいちゃん。」

「ワシを見てその態度はなんだ!」

「い、いきなりでビックリしただけだよ。それよりどうしたの?」

「官憲に遅れを取ったお前の尻拭いに来てやったぞ。」

「じいちゃんが出るまでもないと・・・」

「甘いわ!奴等はしぶとく狙って来るぞ、此処は一気にしとめろ!」

「うっ!はい・・・」

「このあまちゃんが!」

「あっ、おじいちゃん。リョウくんのお見舞いにきてくれたの?」

「おーミウや、元気にしてたかのぅ。ワシはな不甲斐ないリョウのケツを叩きに来てやったんだ。」

「リョウくんは頑張ってるよ。」

「いやいや、警察にこんなキズを負わされるなんてなぁ~」

「め、面目ない。」

「修行が足らん、いつになったら油断せんようになるんじゃ?」

「警察に捕まるのは仕方ないかなぁ~って思うのだけど?」

「なぜじゃ?ワシは捕まった事などないぞ。」

「じいちゃんは異常だからだよ!俺みたいな普通の人は警察に捕まるのは仕方ない事だと思ってるよ。」

「リョウくんが普通?」

「リョウくんウソはダメだよ。」

「リョウさま、普通の方はこのような争いになりませんが?」

「あう、味方がいない。」


「それでリョウ、どう終わらせるつもりだ?」

「じいちゃん?珍しいね、俺に聞くなんて?」

「そろそろお前も自分で判断できんとな。」

「そうだね、そろそろ政府の介入が有るとみてるんだ。それに乗って和解かな?」

「まどろっこしい!、何故こちらから政府と話をせん!」

「えっ?政府に知り合いいないし。」

「お前には源も西園寺もいるだろうが、いいかげん自分の周りを使う事も覚えろ。」

「そうですよ、リョウくん。西園寺も使って、源ばかり使うと逃げれなくなるよ!」

「あら、ミウさん。源家も政治家とはそれなりのお付き合いをしてますから、いくらでも協力しますよ。」

「使いすぎなの、ただでさえ色々して貰っているのに。」

「どちらにしても逃がしませんから♪」

「じいちゃん、二人が怖い。」

「知るか!どっちでもいいからさっさと片をつけてみろ。」

「りょーかい。」

「じゃあ・・・」

ミウとアズちゃんがじっと見つめてくる。

「えーと・・・」

「リョウさま、政府の方がお越しになりました。」

「うん、すぐ会うよ。ミウ、アズちゃん、そういう事だから。」

「もう、西園寺に頼ってくれたらいいのに!」

「源家の方が確実ですよ。」

二人は主導権の取り合いをしていた。





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