第104話 リョウ、名古屋に空の旅

俺はベットの上で状況を聞く、

「源グループは警察ともめてるけど大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ、これは抗議です。腐った官憲に天誅を下す、義挙ですから、全体の士気も高いですよ。」

「あらためて、凄い会社だね。」

「ふふ、源グループは独自の道を行ってるのですよ。それにリョウくんは身内ですからね。東海とか長野は更に凄いと聞きましたよ。」

「さらにって?」

「警察に勤めてる人の家族にも物を売ってないそうです。」

「えっ?そんなのわかるの?」

「さすがに全員は無理みたいですけど、わかってる人は全員らしいです。」

「うわぁ~源グループって、たしかいろいろお店あったよね。」

「はい、コンビニ、デパート、スーパー等生活に密着してますよ。」

「そこで買い物出来ないの?」

「はい。」

「メチャ困るやん。」

「困らしているんです。そして、警察からの謝罪がない以上源グループは引く気はありません。」

「まあ、俺もやられたからな。そうだ、俺を殴った奴はどうなってる?」

「停職にはしたようですがまだノウノウとしてますよ。まあ父親と退職、妹は離婚したようですが。」

「アズちゃん、家族に被害はだめ、あくまで本人だけにして。」

「でも、東海グループに勤めていたのですが居場所はないですよ。妹の旦那だった方も退職を考えているとか・・・」

「アズちゃん、今すぐその人の所に行くよ。あと東海支部の幹部の人達も集めて。」

「ダメです!リョウくんは絶対安静の身ですよ。」

「いいから!」

「ミウ、準備を!」

「リョウくん・・・わかった、でも、少しでも調子が悪かったら病院に直行だからね!」

「ミウさん!」

「リョウくんがこうなったらコッソリ抜け出すよ。それよりは私達がついて無理をさせないようにするべきだよ。」

「わかりました。すぐに用意をさせますから。」


アズサはドクターヘリを用意した。

「これで移動します。これなら何かあっても対処できますし、」

「アズサさん、ナイス!いい考えだね。あれ、リョウくん?」

「・・・ねえ、新幹線で行こ?」

「ダメです。何かあったらどうするんですか!」

「これは緊急時に使うものだよ、重症患者の為に置いて置こうよ。」

「重症患者は黙ってください。行くならコレ、行かないなら部屋で寝てていいですよ。それにこのヘリは源グループ所有の物ですから気兼ねなく使えます。」

「・・・行く、行きます。」

「わかりました。でわ、乗ってください。」

リョウは覚悟を決めて乗る、アズサとミウ、あと医師も一緒に乗り名古屋を目指す。

「あう~、もう飛んだ?」

「まだですよ。」

「手を握ってていい?」

「はい、どうぞ。」

アズサの手をギュッと握る。

「リョウくん、私の手も握って。」

ミウに言われるまま、手を握る。

「リョウくんがこんなに、かよわくなるなんてなんか新鮮だね。」

「本当に空が嫌いなんだね。」

「ねえ、もう着いた?」

「「飛んでもいません!」」

そんなやり取りを続けていたら、機体が浮き上がった。

「うわぁ、なんかフワッとしたよ!」

「大丈夫ですからね。」

「うう、手を離さないでよ!」

「はいはい、大丈夫ですからね。」

空を飛んでる間、リョウは震えながらミウとアズサの手を握りしめていた。


「はぁ、やっと着いた・・・」

「リョウくん、帰りもあるって気付いてる?」

「・・・はっ!治るまで名古屋にいる。」

「それはいいけど、そもそも東京に呼びつけたら良かったんじゃ?」

「・・・先に言ってください。」

「いや、何か理由があるのかなぁって。」

「ノオーーー俺の味わった恐怖はなに!」

「まあまあ、落ち着いて。ホントは安静にしなきゃいけないんだからね。」

「うう、仕方ない。皆さんのいるところに向かおう。」

取りあえず、東海支部の幹部達の元に向かった。

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