第51話 夜這い
1日が終えようとする頃、俺が滞在する部屋に訪ねてくる人がいた、
「起きてますか?」
「うん?起きてるけどどうしたの?」
訪ねてきたのはハヤだった。
「あのですね、我が家の慣わしで・・・恩人に報いる為に・・・」
ハヤは顔を真っ赤にしながらしどろもどろ話していた。
「えっ?何?」
取りあえず、俺は消していた電気をつけた。
「あっ!待って!」
そこには薄衣一枚のハヤがいた。
「なんでそんな格好!」
俺は自分の上着をハヤかけた。
「あ、ありがとうございます。」
「なんか事情があるんだろうけど、自分をそんなに安売りするんじゃありません!」
俺はハヤに説教した。
「でも、我が家は桐谷家に恩がありまして、女の私が返せる事といえばこの体ぐらいしか・・・」
「待った!いつの考え方だよ、今は令和の時代だよ。」
「でも、私は上泉の子です。」
ハヤと話してもラチがあかないのでフミコさんとタカトラさんを呼びに行った。
「どちらの考えですか?」
タカトラさんは罰の悪そうな顔でフミコさんを見る、
「リョウさん、ハヤはお気に召しませんでしたか?あの子はなかなかの器量に育ってると思いますよ、あっもちろん生娘でございます。」
「俺はそんな事は聞いていません!ハヤさんの意思をどう思ってあるのですか!」
「あの~ハヤは自分の意思でリョウさんの寝屋に向かったのです。」
「その考え方を教育してるのが問題なんです!」
「まあまあ、リョウくん。君が手を出し娘が子を得られれば、我が家は安泰なのだ。出来れば男の子を授かって欲しい所だがな。」
「タカトラさんアンタもか!いいですか、今の時代、恋愛は自由です。ハヤさんの自由な意思で相手を選ばしてあげてください。ハヤさんも学校とかで好きな人とかいるんじゃないの?」
「いえ、いませんけど?」
「ホントに今時の中学生?」
「失礼ですよ、ただいいと思える人がいないだけです。それなら家のしきたりに従うのもいいかなと。」
「ダメです。ハヤさんは中学生、これからいくらでも相手は見つかります。今、こんなオッサンに捧げる必要はない。タカトラさん、こんな事するなら爺ちゃんに言って修行は断ります。」
「イヤイヤ、それは困る。」
「なら、こんな真似は止めてください。」
「わかった。お母様もいいですね。」
「私は曾孫の顔が見たい、アキラさんの血縁なら更に楽しみ・・・」
「いいですね!」
「・・・はい。」
何とか約束させれた。
その夜は疲れた為、そのまま部屋で寝たがさすがに襲撃はなかった。
それからはおとなしく修行の日々が続く。
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