第16話 マイちゃん

俺はかかってきた電話にでる。

「もしもし、どちらさまでしょうか?」

「あっ、私ですマイです、夜分にすいません。」

「マイちゃんか、こんばんわ。何か用事かな?」

「はい、お陰さまで妹のユミの手術は無事終わりました。」

「おーおめでとう、ちょっと待ってて。」

俺はミウにも伝える事にした。

「ミウ、マイちゃんの妹さんの手術成功したって。」

「やったー、今電話してるの?代わって。」

俺は電話を渡す。

「マイちゃん、おめでとう、今度ユミちゃんのお見舞いにいくね」

「本当ですか、ユミも喜ぶと思います」

ミウはマイちゃんと見舞いの日について話はじめた。

「あの~リョウくん?マイちゃんってだれ?」

アズサは二人の口から出る女の子の名前が気になっていた。

「マイちゃんはこないだ知り合った小学生だよ。」

「ねえ・・・どうやったら、小学生と知り合いになって、電話がかかってくる仲になるのかな?」

「たまたま?」

「もしかしてリョウくん、小さい子にしか興味がないの?私は成長しちゃったからダメなのかな?」

「ちっがーう!その趣味はない、ノーマルだからね。」

「ほんとかな?」

「しんじてー!」

俺が弁明しているとミウは電話が終わり、会話に帰ってきた。

「リョウくん、今度ユミちゃんのお見舞いに行くから一緒にいこうね。」

「ああ、もちろん。見舞いの品は何持ってく?普通だと面白くないよね?」

「う~ん、何にしようかな?後で二人で話し合おう♪」

「わかった、ミウも考えてくれよ。」

アズサをおいて話していたら、爆発した。

「ちょっと!リョウくん私のわからない話はやめてよ。」

「あっ、ゴメンゴメン。電話があったからつい流れで。」

「あら、アズサさん夫婦の会話に入れないからって、駄々こねないでもらえますか?」

「むう、夫婦じゃないでしょ、私もリョウくんと話したいのに。」

「まあまあ、アズちゃんも今度埋め合わせするから、それで勘弁な」

「りょうくん、浮気はダメ!アズサさんは危険な香りがするの!」

「ミウは大袈裟だな~高校生に手を出したりしないよ」

俺がそう答えると、

ミウとアズサは不満そうに。

「「子供扱いしないで!」」

息ピッタリだった。

「はいはい、そうだね~」

「もう、りょうくんには教育が必要だね」

「あら、気が合うわねミウさん。高校生の良さを理解させてあげましょう。」

俺は二人に壁際まで追い込まれた。

「ま、まて!何をする気だ?話せばわかる。取りあえず落ち着こうじゃないか!」

俺は二人を宥めながら、周囲に救援を求める。

しかし、助けはいなかった・・・


仕方ない、俺は意を決して逃走をはかる。

幸い、庭に出れる窓が近くにあった。

「あばよ~」

「あっ!逃げた!」

「コラ!待ちなさい、リョウくん!」


俺は二人から逃げ出した。


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