第13話 説明

修羅の部署から定時で帰宅した。どうやら他の人は残業をして稼ぐらしく、帰るのは俺だけだった (さっさと帰ってサインを貰ってこいと言われたが)

「ただいま~」

「お帰りなさい、今日もお疲れ様です♪」

ミウが出迎えてくれた。


ミウが作ってくれた夕飯を食べながら職場の話をしてサインをお願いする。

「んーどうしようかな~」

「いやいや、頼むよ、出来ないと言えない空気なんだよ。」

「わかった、でも、りょうくんにも何かして欲しいなぁ~」

「ん?出来る事ならいいよ。」

「ホント!、なら今晩私を・・・」

「出来る事で!」

「りょうくんがその気になってくれたら出来るよ~」

「それはダメです、他の事で。」

「ぶーーー」

「はい、ぶーたれない、可愛い顔が台無しになってるよ。」

「はーい、でも他の事ならいいんだよね。」

「まあ、出来る事だよ。」

「うん、ねえ、CDのレコーディングしよ。」

「ん?」

「二人の曲でCDデビューだよ。」

「いやいや、副業はまずいでしょ。」

「なら、同人でもインディーズでもいいから、私も名前ださずに二人でこっそりだすの。」

「まあ、それぐらいならいいけど、宣伝禁止だぞ、それとタツヤ叔父さんの許可は取る事。」

「お父さんの?」

「俺も雇われてるから、社長としての許可とミウの事務所の社長でもあるだろ、だから許可をもらわないと。」

「はーい、ちょっと待ってね。」

ミウは電話をした。

「許可でたよー」

「はや!タツヤ叔父さん反対しなかった?」

「どっちかと言うともっと派手にしたかったみたい。」

「あ、あの人は~」

「じゃあ、週末は2人でレコーディングだよ。」

「わかった、その代わりサインを5枚書いて。」

「それぐらい、いいよ~」

「はあ、もう頼まれてもサインは貰いたくないよ、次の要求が怖い。」

「ははは、次のご利用お待ちしております♪」

「やだぁーーー」

俺はサインと引き換えにCDデビューが決まった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る