第11話 ミウの家に帰宅

玄関を開けるとミウがいて俺を迎えてくれた

「お帰りなさい」

俺は何故かミウの家に来ていた

「ただいま?なんでミウの家に来たのかな?」

「ここが妻の実家だから?」

「ちがーーう、俺はまだ独身のはずだ」

「うーん、時間の問題?」

「違うからね、それよりホントになんで?」

「私としては浮気を追求したいのだけど、おじいちゃんがりょうくんを呼んでるみたい」

「お祖父さんが?何の用事だろう?」

「わからないけど、書斎でりょうくんを待ってるから行こ」

「ああ」

俺はミウに連れられ竜蔵さんの所にいた


「失礼します」

「桐谷くん、きたかね」

「ええ、俺に何の用事でしょうか?」

「いやな、君のお祖父さんの話なんだが・・・アキラというのかね?」

「はぁ、確かにアキラと言いますがそれが何でしょう?」

「君のお祖父さんは大戦中に大和に乗艦していなかったか?」

「昔話で聞いた事はありますがそれがホントかどうかはわかりません」

竜蔵は緊張しながら

「お祖父様に連絡はつくかね?」

「つきますよ?電話しましょうか?」

「頼めるか?」

俺は意味もわからず祖父に電話した


「もしもし、じいさん元気?ああ、俺は元気だよ、ところでこっちでじいさんと話したい人じゃないがいるんだけど話してもらえる?ミウのお祖父さんなんだけど」

俺は祖父に説明して竜蔵さんとかわった


「御電話かわりました、竜蔵と申します」

「竜蔵さんかね?もしかして腰抜け少尉殿か?」

「はい、その竜蔵です、その節は曹長さまには大変お世話になりました」

「懐かしいの~そうかミウちゃんのお祖父さんだったか、縁があるものだのう」

「まことに、不思議な縁でございます」

「そうか、ミウとリョウは婚約したとか聞いたが、なるほど、少尉殿と親戚になると言うことか」

「いや、その話は・・・」

「なんじゃ、何か文句があるのか?」

「ミウも若い事ですし、歳の差とか、家柄とか・・・」

「貴様!ワシの家柄に文句があるのか!いい度胸だ、久し振りに教育の必要があるみたいだな」

竜蔵は震えながら

「いや、そのような事は、ただミウとの釣り合いを考えますと・・・」

「ワシの孫に不満があるということじゃな!」

「そのような事は・・・」

「そもそも、ミウちゃんの両親から話を持ってきたと聞いておる、なのにワシの家柄や孫の器量をどうこう言うのは筋違いじゃろ、近々上京してやるから首を洗って待っておれ!」

「ど、どうか怒りを静めください」

「やかましい!恩を忘れて孫を侮辱しおって」

竜蔵さんが半泣きになりながら電話してるので俺は電話をかわった

「じいさん、そんなに怒ると体に悪いよ」

「なんじゃ、リョウか?なに忘恩の輩に常識を叩き込むだけじゃ」

「じいさん、竜蔵さんとどんな関係なの?」

「ん?知らんのか?こいつは大戦中、ワシが乗る大和に赴任してきた少尉でな、ワシが教育してたのじゃが、すごい腰抜けで、海軍なのに泳げない、弾薬の運搬も出来ない情けない奴でな、沈没時には死にかけの所を助けてやったのに、まさか孫を侮辱してくるとは」

「まあまあ、じいさんも落ち着いて」

「ワシは落ち着いておる、それより上京するから近々予定あけとけ」

「わかったよ、こっちに来るとき連絡ちょうだい」

「おう、じゃあ元気でやるじゃぞ」

「はいはい、じいさんも元気でね~」

俺は電話を終えた


「マズイ、ヤバイ、コロサレル」

「竜蔵さん?」

俺は机の上で頭を抱えてブツブツ言ってる竜蔵さんに声をかけた

「ヤバイ、どうしよう、曹長が殺しに来る」

「竜蔵さん?大丈夫ですか?」

「なぁ、桐谷くん、私はミウとの婚約を認めている。そうだね」

「はい?」

「いいかね、私は君をすごく大事にしている、そう曹長様・・・お祖父様に伝えておいてもらえないか?」

「えっ?」

「頼むよ、曹長はマズイ、怒らすと何されるか・・・」

「そんなに怯えなくても、昔は知りませんが今は穏和なじいさんですよ」

「君は身内だからそう言えるんだ!あの人は泳げない私を海に投げ入れ気合いで何とかしろとか言う人だぞ」

「あー俺も子供の頃にされましたよ、港から投げ込まれて、あれは死にそうになりますよね」

「かわってないじゃん!」

「大丈夫ですって・・・怒らせなければ」

俺は目をそらした

「・・・なだめておいて」

「・・・俺も怖いです、じいさんには逆らえない」

「どうしよう・・・」

「うーん、ミウに仲裁を頼みましょう」

「ミウに?」

「じいさん、昔からミウに甘かったから」

竜蔵さんはミウを呼び説得を頼んだ


「ふーん、おじいちゃん婚約に反対だったんだぁ」

不機嫌なミウは竜蔵さんに冷たい眼を向けていた

「いやね、ミウ、ミウにはもっと相応しい男がいると思ってだね」

「なに、りょうくんをバカにしてるの?竜蔵さんは私に喧嘩をうってるんだね」

呼び方が他人行儀になったミウは怖かった

「ミウなんで呼び方変えたのかな?おじいちゃんだよ」

「はい?りょうくんをバカにしてる人は身内ではありません」

竜蔵さんは俺の方を涙目で見てきた

「ミウ、あんまり怒らない可愛い子には顔が台無しだよ」

「だって、りょうくんの悪口いうんだよ、しかも私に相応しくないなんて酷くない?」

「いや、俺もそう思うし」

ミウは頬を膨らませ

「むー、私にりょうくん以外に相応しい人なんていません」

俺は膨らんだ頬っぺたを指で潰し頭を撫でながら

「怒っちゃダメ、落ち着いて」

ミウは頭を撫でられながら俺にしなだれかかり抱きついてきた

「りょうくんが言うからおじいちゃんを許してあげます、でも二度と言わないでね!」

一応の許しは得た

竜蔵さんは小さくなっていたが竜蔵さんが何か喋る前にミウに連れられ部屋を後にした


部屋を出た俺は用事も終った事だし帰ろうとしたらタツヤ叔父さんが俺を引き留め

「リョウくん、一杯やっていこう」

高そうな日本酒を出してきて飲みに誘われた

「じゃあ、一杯だけ」

俺はミウに酌をされ一口でグイッといった

「うまい!」

普段飲んでる酒と違い、はっきり味がわかるいい酒だった

「ささ、もう一杯」

ミウがサッとついできた

次の一杯もグイッといくと

「リョウくん、結構いける口だね、こっちもどうだい?」

タツヤ叔父さんは別の名前は聞いたことある酒を持ってきた

「いただきます」

俺はまたグイッといく

新しい酒が出てくる

グイッといく


気が付いたら俺はベッドにいた

隣にはミウが寝ていた

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