幼馴染は手をつなぎたい

「やっとここまで来たね、みさっち どうだった?一緒にご飯食べた感想は?」

 電話の先で、プラムはニヤニヤしながら聞いてくる。


「素敵だった、昔と変わらない こんな私にも気兼ねなく話してくれるし・・・すごくかわいい」

 でも、かわいいだけでなく、とっても強くてカッコイイ!!なんてたって、ナンパされてた私を助けるとき、大きい男子を投げ飛ばし制した。


「だよねぇ・・私よりかわいいとか意味わかんないし何なの?あの子はww」


「なら明日の、作戦だよ!!手をつないで登校大作戦だよ!!」


「ええええええ!無理だよ 今日やっと話せたんだよ いきなりそんなに、進展できるわけないじゃない、無理無理だよ」


「(ヾノ・∀・`)ムリムリじゃないよ やるんだよ!そうしないと、桜の木の下で告白できないよ!!」


 桜の木って何よ?


「桜の木は、意味がわからないけど・・・できるかな、私自信がないな・・・」


「いい明日!ウッチーの家の前に集合よ!いいわね?返事は!!!」

 すごい勢いで、言ってくるから・・・つい大きい声で


「はい!!!」


 次の朝・・・・・


「おはよう」

 目の前に、小谷さんが立っている。


「おはよう、どうしたの?よく家がわかったね」


「剛君に、聞いたの一緒に登校したいと思ってダメだったかな」

 悲しそうな顔するから、とてもダメとは言えなかった。


「いいよ、なら行こうか」


「内牧くん・・よかったら明日も一緒に登校してもいいかな?」


「いいけど、家遠いんじゃないのかな?」


「通り道なの、だからいいかしら」

 どうしてここ迄強引に来るのかは分からないけど、断る理由もないから了承した。


 一緒に、歩くと身長差が離れすぎて注目の的だったが、それ以上に気になったのが。


「小谷さん念でそんなに猫背なの、せっかく身長高いのに勿体ないよ、スタイルもいいし勿体なさすぎるよ」


「うん、わかった 努力する」

 恥ずかしそうに背筋を、ピンと伸ばすと真の姿があらわになった。

 宇佐美は、目が点になって、綺麗だと思ってしまった。


『くっ!ミィちゃんを裏切れない』

 そう思いながらも・・・

「ほらぁ、そっちが綺麗だよ!今度からそうしなよ、ほら前髪も少しかがんでくれるかな?」


 近くの公園の椅子で、髪をセットしてあげる。小谷さんは、耳が真っ赤でやっぱり、男子に触られると恥ずかしいもんね。


「おれ髪が長いからさ、髪結い得意なんだ」


 サラサラだけど???白髪かな??金髪??銀髪??かな  根元が色が違うのは何でだろ。


「はい出来上がり、うん我ながらいい出来 ほら、見て」

 

 バックに入ってた、鏡で小谷さんを映す。


「これがあたし?」


「そのまま学校行ったら、注目の的だよ 可愛いというか。・・・綺麗だよ」


 ちょっと、頬を掻きながら照れ隠ししながら言った。


 そして、また歩き出す。


 ふと二の腕あたりに、小谷さんの手が当たった・・・


 遠くから『チッ!』と聞こえてきた。


 どこから?


【手を、握れなかった(´;ω;`)】 


 ミィちゃんは、心の中で泣いた。











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