お互いに好きだった幼馴染みが結ばれた物語

りゅう

第1話 幼馴染みが結ばれた日




注意・この物語は私が当サイトにて連載しております、お互いに好きだけど好きと言えない幼馴染みの同居生活の外伝作品です。本作だけでも楽しめるように執筆致しますが、あらかじめご了承ください。


あの日……

大学生のお兄ちゃんであるりょうとお兄ちゃんの幼馴染みであり私の姉のような存在である春香ちゃんが同居しているアパートに押しかけた時、私は私の幼馴染みであり、春香ちゃんの弟であるりょうたと付き合うことになった。



「りょうた、私、進路変更するから。りょうたと同じ高校に進む」

ゴールデンウィーク直前に行われた中学校の進路面談、中学3年生の私は学校でトップクラスの成績を取っていた私は地元で1番有名な進学校に進学するようにずっと言われていた。

「え?何言ってんの?」

「だから、りょうたと同じ高校に行きたいから進路変更したの」

ゴールデンウィークに入り、りょうたと会った時に私が言うとりょうたは驚いた表情をした。

「なんで…春ちゃん、頭いいのに…」

「だって…りょうたがいないとつまらないからさ…私はりょうたと同じ高校に行くよ」

「なんで…」

「だから、りょうたがいないとつまらないんだって…」

「付き合ってもいないのに…幼馴染みってだけで同じ高校目指すとか言わないでよ」

「え…」

りょうたは珍しく怖い声で私に言う。付き合ってもないのにって…そのいい方は…ないよ……

「あ…ごめん…」

「ばか…もうしらない…」

私はりょうたにそう言い走ってりょうたから離れた。家に帰って出かける準備をして私は荷物をまとめてお母さんにお兄ちゃんのところ行ってくる。とLINEを送ってから家を出た。



数時間、電車に乗り、お兄ちゃんと春香ちゃんが下宿しているアパートに着いた。それから数日、私はお兄ちゃんと春香ちゃん、お兄ちゃんの彼女であるまゆさんとお兄ちゃんたちの部屋で過ごした。

お兄ちゃんたちの関係は複雑だった。お兄ちゃんは春香ちゃんとまゆさん、どちらとも付き合っていて3人はすごく幸せそうだった。

お兄ちゃんたちの考えがわからなかったが、3人が真剣に愛し合っていることはよくわかった。それがすごく羨ましかった。



「春ちゃん…」

「は、え、りょうた?何でいるの?」

私と春香ちゃんが料理をしている最中に買い物に行くと言い部屋を出たお兄ちゃんとまゆさんはりょうたを連れて戻って来た。

「春のこと心配してわざわざ迎えに来てくれたんだよ」

「は?心配って…私、もう中学3年生なんだけど、ちょっとお兄ちゃんと春香ちゃんに会いに来たくらいで心配?それで迎えに来た?何?彼氏面でもしたいの?」

嬉しかった。りょうたが来てくれて嬉しかったのに、私はりょうたにそう言ってしまった。私が発した言葉を訂正しようとすると、りょうたは私に抱きついた。

「心配するよ。ごめんなさい。酷いこと言って春ちゃんを傷つけていないかがすごく心配だった。春ちゃんに嫌われていないかも心配だったし…このまま謝れなかったらどうしよう。って心配だった。もう、今までみたいに仲良くできなかったどうしよう。って心配だったし…春ちゃんに好き。って伝えられないまま、もう春ちゃんと仲良くできなくなるんじゃないかって心配だった」

りょうたは私を抱きしめて泣きながら言う。なんだ…りょうたも…好きだったんだ。気づいたら私の顔は真っ赤になっていた。

「バカ…私がりょうたのこと嫌いになるわけないじゃん。りょうたは私がいないと何もできないんだから…私が側にいてあげないといけないしね…それに、私も、りょうたがいないと何もできない。だから、私にはりょうたが必要。絶対嫌いになんかならないってバカ…私も…りょうたのこと好きなんだから……」

私は顔を真っ赤にしながらりょうたに好き。と伝えた。するとりょうたの顔がみるみる赤くなっていく。部屋の隅で様子を見ている3人がニヤニヤしていて恥ずかしいが、私の想いは伝えた。

「で、りょうたが私のこと好き。ってことはわかった。私もりょうたが好き。で、どうしたの?」

「結婚してください」

「バカ…私たちの年齢考えろ。そこは付き合ってください。だろ…」

いきなりぶっ飛びすぎだ。普段大人しい癖にいざって時はめちゃくちゃになるところはりょうたの姉である春香ちゃんに似たみたいだ。

「ごめん…でも、春ちゃんと本気で結婚したいくらい春ちゃんのことが好きなんだ。絶対に幸せにする。だから、付き合ってください」

りょうたは改めて私に言う。迷いなんてない…私はりょうたのことが好き。私はりょうたを抱きしめる。

「まったく…泣きながらバカな告白されて…人生で初めてされた告白がこれかぁ…情けないなぁ…やっぱり、りょうたには私が必要だね」

きっと私は今、すごく幸せな表情をしているだろう。最後に一言


喜んで……


とりょうたに伝えた。

「私にはりょうたが必要だから。私の側にいてよ。そうしてくれたら、絶対幸せにしてあげるから…これからもよろしくお願いします」

「ありがとう。こちらこそ、これからもよろしくお願いします」

このまま…キスとかしてしまいたかった。だが、お兄ちゃんたちが見ている前では恥ずかしい。私はりょうたから手を離してりょうたから離れる。

「あ、言い忘れてたことがあった」

私と離れてから思い出したようにりょうたが私を見つめる。

「志望校、変更したから…地元で1番難関の高校目指すことにした。春ちゃんと同じ高校に通いたいからさ」

りょうたは淡々と私に言う。りょうたの学力ではかなり厳しい。きっと、りょうたもそれを理解している。その上で私と同じ高校を目指したい。と言ってくれた。

「バカなの?」

「本気だよ。春ちゃんに何て言われても変える気はない」

真剣な表情で言うりょうたを見て、本気だと理解してため息を漏らした後、私はりょうたに条件を出す。

「滑り止めで本来の志望校も受けること、私も同じ高校を受ける。りょうたが落ちたら私はりょうたについて行くから…そのつもりで頑張りなさい。私も一緒に頑張るから…2人でがんばろう…わかった?」

「うん。頼りにしてるよ」

「私の教え方は相当厳しいからね。春香ちゃんよりも厳しく教えるから覚悟しておきなさい」

りょうたの姉である春香ちゃんは普段優しいが、本気で物事を教えだすとめちゃくちゃ怖い。姉より厳しいと言われたりょうたは震えたがよろしくお願いします。と私に言う。


こうして、私とりょうたは付き合った。

幼馴染みの彼氏が出来た。

すごく幸せな気持ちを味わいながら私はりょうたと手を繋いで電車に乗り地元に帰る。




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