第5話:勇者少女パミング

勇者パーテはムクロンの街を出て、夜の平原で野営をしていた。

すると、そこに一人の少女がやってきた。


「こんばんはー。あなたが、あの四天王バックリを倒した勇者ですか?」勇者少女

「そうだが。その恰好、お前も勇者か?」勇者

「はい。私は勇者少女パミング。これでも正式な勇者で、バックリ襲来時にはムクロンの街にいました。宿屋で寝ているうちに全て終わっていましたけどね。四天王を倒した勇者を、一目見ておきたくて」勇者少女

「そりゃこんな場所までご苦労なこった。宿屋に泊まる金がなくてな。すぐに街を出て、野宿場所を探すしかなかったんだよ」勇者

「四天王を倒したのなら、一晩くらい、タダで泊まれる気がしますけど」勇者少女

「なにっ!? そんなことが許されるのか!? 知らなかった……」勇者


勇者少女パミングは立ち上がり、パーテから距離をとると、剣を取り出す。

パーテも立ち上がり、置いてあった剣を構えた。


「お手合わせ、お願いできますか? バックリは私には倒せない相手でした。精々、大岩を落として妨害するしかなかった」勇者少女

「はん! 剣を出しておいて、なに言ってんだか!」勇者

「では。四天王を倒した力、試させていただきます!」勇者少女


勇者と勇者少女は、互いに剣をぶつけ合う。

勇者少女パミングとの手合わせは、5時間を超えるまで続くのだった。

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