第2話:危険の渦巻く森

勇者パーテは平原を抜け、森の中に足を踏み入れていた。

日が届かない森の中、パーテは近くの木を剣で切りつける。


「暗いっ! 森に日差しを取り入れろ! この木め! 燃やし尽くしてやろうかっ! てか硬くね!?」勇者

「やめろ貴様! 私が育てている木々を傷つけるな!」森の魔物


パーテの後ろに老けた魔物が出現する。森を守護する魔物だ。

パーテは剣を構える。


「なに! 管理者が居たのか……。やいお前! 誰の許可でこんなところに森を生やしてやがる! 犯罪者は殺処分にするぞ!」勇者

「その凶暴さは味方か。案ずるな。私は、貴様と同じく、人間に化けた魔王軍の一員。魔王様の命により、勇者の処分を任されているのだ」森の魔物

「人間に化けているだと! それは本当か!」勇者

「そうだとも! この森で育てている木々はいずれ木の魔物になる! 今は種のように硬く、動くこともないが、成長すればビュンビュン動く! 育てば、花のように繊細な体になってしまう……が、な?」森の魔物


パーテの斬撃により、森の魔物は真っ二つになった。

パーテは森を抜けるために足を進める。


「どおりで硬い木だと思ったぜ。日光は諦めるしかねーか。今はただの木……退治する必要はねーもんな!」


勇者パーテは歩きながら、近くの木を切りつけている。

木には、傷一つすらもつくことはなかった。

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