6つめ 酸性雨

 降り始めた雨は さした傘さえも 溶かし地に落ちていく

 抗うことやめて 捨てられた僕も 溶けて忘れられていく


 僕を捨てた 君と世界 不規則に落ちる酸が

 全部溶かして 酸性雨


 降り止まない雨は 過ごした時間も なにも残らず消える

 まるで手品のよう 過去が嘘のよう 消えて忘れられてく


 形だけが 溶けて変わる 元はみんな同じなの

 みんな騙して 酸性雨


 降り続ける雨は うるさく騒いで 独りきりの夜だけ

 器用に残された 溶けない孤独と

 僕を殺して 酸性雨

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