一話 雨と幼馴染 5
しばらくして、やっと落ち着いた。二人の誤解も解いて、
内容は俺の昔の話と、あまり良い気分ではない。そんなことを
「でさぁ、なんで二人はこんなに仲良くなったんだ? 隣人なんてそんなに関わることないだろ?」
「俺が聞きてぇよ」
本当に意味がわからなかった。ある日突然越してきた
「お兄さんが私を無理矢理連れ込んで……」
「
「んなことしてねぇよ!」
挨拶の後にずかずか上がり込んできて、何故か俺の家で晩飯食って帰ったところからおかしいと思い始めた。
もっとおかしいのが翌日も来たということだ。流石に一週間も続いた時にはもうキレながら飯作ってたな……。
「仲良さそうでよかったよかった!
「そうだね。
「じゃあこのまま結婚しちゃいまーす!」
「しねぇよアホか」
なんでこいつもこんなに乗り気なんだよ。俺のこと嫌いだから
「なに、お兄さん照れてんのぉ? 結婚する?」
「だからしねぇよ!」
「じゃああの話は他にあたるか……でも他つってもな……」
純がポロリと溢すように言った。その意味がわからずにいると、同じく気になった
「なにが?」
「いや、なんでもない!」
純が何かを言おうとしていたのは間違いない。でも言わずに隠す理由はなんだろう。
「あ、そう」
「そういえば昼飯まだなんだよな~、
「ここはお前の実家か」
「そうならお兄さんは純さんのお母さんだね」
「せめて父親であってくれ」
「
「さんきゅー
話を切り替えた純の提案で四人前の昼食を作ることになった。
別に二人仲良く話していることに嫉妬したわけではない。ただ、俺の昔話なんてされてないかが不安なだけだ。って、誰に言い訳してんだ俺。
「ぷはーっ! お腹いっぱいだな! やっぱ最高だな、
「だね。
「シェフになる気はねぇよ」
「そうだよね、お兄さんは私の旦那さんになるんだもんね?」
「アホ言ってねぇで食器洗うから持ってこい」
食べ終わった食器を四人分洗い、冷蔵庫にあったプリンをデザートに並べる。三つしかなかったから俺の分はないわけだが。
「お兄さん、また半分こする?」
「今日はいいよ。気分じゃねぇ」
つい先週
でもその過去の話を
「「また……? 半分こ……?」」
だから、しまった。そう思った。
「俺が全部食うと胸焼けするから、残った分食ってもらったんだ。別に変な意味じゃねぇよ」
食べる時のスプーンだって別だ。俺は家の鉄スプーンだが、
「ふ~ん、ただの隣人とプリンを半分こね~?」
「……なんだよ」
「んーや? なんでもねぇよ?」
このニヤニヤ顔、うぜぇ。
純はなんだか
三人ともプリンを食べ終わり、
このまま何を話そうとしたのかわからないままだと、気になって夜も眠れない。
「純、ちょっとベランダで話そうぜ」
「ん? まあいいけど」
「なに、二人どこいくの?」
立ち上がった俺たちに
二人きりじゃないと言いづらいことかもしれないし、ここはどうにか誤魔化すのがいい。でも、どうやって誤魔化せば。そう考えていた俺の横から、純が言う。
「男子トークだよ! 女子トーク的なあれだよあれ」
もうちょっとマシなのないのか。
「ふーん。じゃあ私たちは女子トークしとこうか」
「はいっ!」
俺と純はベランダで、
女子トークといえば恋バナだと決まっているんだろうけど、男子トークって普通なに話すんだろう。まあ今回は聞きたいことが決まっているんだけど。
「さっき言おうとしてやめたのはなんだ? 気になってずっとモヤモヤしてんだよ」
「あー、それか~。んー、でもな~」
「なんだよ、言えないことなのか? それならいいけど」
「んや! やっぱ言おう!」
純は両手を額の前で合わせて、頭を少し下げながら。
「今度行く合コン、本当についてくるだけでいいから、数合わせで来てくんね?」
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