プール・サイドの人魚

ドロドロヘドロ

愛ってラベリングされたヘドロを一気に飲み干してみたい。

体中が拒否反応を起こして、全部吐き出してしまいそう。

本当の愛も、優しさも、思い出すらヘドロに飲まれて吐き出してしまう。

本当はそうなりたくないのに、

刹那的な破壊欲求からわざとラベリングされた名前を「愛」に変えてやった。

ドロドロしていて、朗らかさなんてどこにもみつからない。

愛でさえ朗らかにはならないのに。

飲み込んだのは本当にやさしさだったのだろうか。

ショートケーキに混ざっていたのは遅効性の毒で、

本当はもうずっと前から死にかけていたのかもしれない。

愛してなんかいないよ。これは結局ヘドロでしかなかった。