花言葉の殺人
@48692212
第1話 事件発生
「最近面白い事件がないなぁ…」
エリック・ルーカスはため息をついて読んでいた新聞を放り投げた。新聞の日付には2018年9月10日と書いてある。
「ねぇ、エリック」
探偵を生業としているエリックの助手、ロイ・カーライルがエリックに声をかける。
「ん?どうしたの?ロイ」
そう言ってエリックはロイの頭を撫でる。ロイは15歳で、エリックの3歳年下、血は繋がっていないものの、実の弟のように可愛がっている。
「えっとね、欲しいものがあって…」
2人で話していると、ドアベルが鳴った。
「はーい」
ドアを開ける。開いたドアの先には知り合いの情報屋、ハリー・ウィルソンと、スコットランドヤード(ロンドン警視庁)で働くウォルター・オークスが立っていた。
「エリック、事件だ。協力してくれるか?」
「エリックが喜ぶような事件だと思うよ」
エリックは少し考えてから口を開いた。
「分かった協力するよ」
その言葉にウォルターは微笑んで頷いた。
「ありがとう」
「ちなみに、事件現場ってどこ?」
ハリーが地図を見せる。
「ここからだと車で40分くらいかな、ちょっと遠い所」
「ロイ、どうする?一緒に来る?」
するとロイは戸惑いながらコクンと頷いた。
「うん、じゃあ決まりだ。事件現場に向かおうか」
エリックがそういった途端、誰かがロイを持ち上げた。
エリックが驚いて振り返ると、エリック、ロイ達と一緒に同居している医者のクレア・ハーパーがロイを抱き上げていた。
「残念だけど、ロイは一緒に行けないよ。朝、熱を測った時少し高かったからね。途中で体調を崩したりしたら大変だ。それに今日は授業の日だからね」
ロイは体が弱く、あまり外に出ることが出来ない。また、障害を抱えていて、学校に行って授業を受けることが難しいので、日にちを決めて、クレアが勉強を教えている。
「分かった、じゃあ僕だけで行こう」
エリックがそう言うと、ロイは少し不満そうにした。
「捜査が終わったらすぐに帰ってくるからさ、それまでいい子にしててね?」
すると、ロイは頷いて、早く帰ってきてね、と小さな声で言い、エリック達に向けて手を振った。
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