日本に戻った異世界勇者と電脳少女が無双する話~無双というより無常識です
三枝 優
第1話 転校生は美少女(敵意丸出し)
俺の名前は伊勢 勇人。
高校2年生。
学校ではどっちかというとボッチである。
窓際の自席に座って、今日も外を眺める。
ようやく担任が入ってきた。
朝のHRが始まる。
「今日は、転校生を紹介する。みんな仲良くするように。じゃあ、自己紹介して。」
「風間 未亜です。趣味は読書です。皆さん、よろしくお願いいたします。」
可憐な声が聞こえる。
が・・まったく興味がわかない。
転校生ねえ・・・風間 未亜・・・。
未亜!?
普段なら、全く他人に興味がないが、思わず転校生を見る。
栗色のサラサラロングヘアに白い肌。
ブラウンの瞳が日本人離れしている。
「み・・・あ・・?」
「席はそうだな・・・伊勢の隣が空いているから、そこにしよう。」
担任が言うのを、うわの空で聞いた。
「未亜だと・・・なんで・・」
こちらにやってくる転校生。
自分の前に立ち止まり、言う。
「こんにちわ、よろしくお願いします。」
そのあとに小さな声で言う。
「いせゆうと? なにその名前。そのまんま?ダサッ!」
おそらく自分にしか聞こえない言葉。
そのあとの授業中、周りに聞こえないように話す。
音量が小さいうえに高周波(5KHz以上)なので多分聞こえない。
”なんで、この学校に来たんだよ。”
”たかひろから聞いていないの?”
”聞いてねえよ。”
”なんか、常識を身に着けるには普通の高校に通ったほうが良いって言ってたよ”
”なんでこの学校なんだよ”
”あんたがいるから安心だって。まったく安心できないんだけどね”
”安心できないのはこっちだ”
”それより何その名前”
”なんか文句あるか!?”
”伊勢勇人って。そのまんま異世界の勇者を省略しただけじゃない”
”うるせ、めんどくさかったんだよ”
そう。
伊勢勇人は異世界から帰還した人間。
異世界では勇者と呼ばれていた。
しかし、異世界を救ったのちに日本に帰ってきた。
すると自分の生きていた時代からは数十年たっていた。
仕方なく、偽名で日本での生活をやり直そうとしているところだったのだ。
”まったく。たかひろは何考えているんだよ。”
日本における唯一の親友である風間たかひろ。
彼によって、風間未亜は転校生としてやってきたらしい。
だが、まだ誰も知らない。
伊勢勇人と風間未亜が一緒にいるということ。
つまり2つの特異点が同時に存在するということ。
2人とも一般常識が欠如するということ。
それによって、全世界を巻き込む大騒動に発展するといことを。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます