カクヨムコンと私の作風
最近、自主企画や他の方のエッセイ、近況ノートで「第6回 カクヨムWeb小説コンテスト」――「カクヨムコン」の名前をちらほらと見かけるようになりました。私自身はカクヨムに登録したのが今年の9月なもので、この企画がどんなものなのか全く知らなかったんですが……過去のカクヨムコンに参加された方のエッセイ等を拝見したところ、多くの方が参加する、一種のお祭りみたいな大きな企画なのだと分かりました。
併せて特設ページも拝見したところ、こちらの企画で賞に選ばれた作品は角川書店からの出版もありうると。ただのWeb上での企画に留まらず、公募企画としての側面も持っているのは大きな出版社が運営している強みですね。なるほどなあ。
で、せっかくのお祭りみたいなものだし、私も参加してみようかな……? と、特設ページの応募規定を読んだんですけども。
私参加出来るのかこれ……⁉ ってなりました。
うん。分かってたよちくしょう!
そもそも10万字超の長編は書いていないし書けないので(今までもそんな長いの書いたことありません)、「Web小説コンテスト」(コンテスト本体)は参加不可能。
1万字以内の作品を募集する「短編賞」なら参加出来ますが、応募のポイントを見る感じ、運営側が求めている作品って「ストーリーに起伏があり、あっと言わせるような物語」なんだろうなと。確かに、さくっと読める長さで、読者に新しい驚きや新鮮な感情を呼び起させるにはそういう内容が合っていますもんね。
そこで、私の作品を考え直してみると、基本違うんですよね。
ストーリーに起伏が少なくて、こう、だらっとしているというか。特別じゃない日々を特別じゃないままに描ければいいな、っていう意識が強いせいか、物語として「面白く」ないんです。
そして、登場人物らしい登場人物すらいないような作品が多いんですよね。物語を語るための「視点」さえあればいいので、「彼」だの「私」といった、名前の無い誰かを主人公にして作品を作ることも多いです。(原稿用紙数枚程度の短い作品だと特に顕著です)
だから分かりにくいし、他の人にも意図が伝わりにくい。読者を楽しませようと意識した物語になっていないんです。
ここまで自己分析出来てるなら、読者を意識した作品を書けば良いじゃん、っていう話なんですけど……それが、出来ないんです、よね……。
そもそもカクヨムコン云々の前から――それこそ、個人サイトで小説を書いていた時期から、上記のことは分かっていて。もっと生き生きしたキャラクターとか、わくわくするような物語を書けないかな、とか色々思ってたんですよね。
でも出来なかった。「これ書かなきゃ! 書きたい!」っていう意欲が湧いてこない。私が書かなくても、誰かが似たような作品を書いてくれるだろう、って思ってしまうんです。
結果、私は読みたいけど他の誰も書いてくれないだろうから――ということで、前述したような、登場人物が居なくて情景描写だらけの切れ端のような物語ばかりを書き連ねてしまうんですよね。でも、それが書きたいんだから仕方ない。
こう書いてきて、本当に私の作風ってよく分からないなあ……とつくづく思います……。ライトノベルではないし、でも純文学ほど硬くは無いと思うし。一番近いのは一般文芸なのかな、とは思っているのですけど。ただ、一般文芸を名乗れるほど、しっかりした(凹凸のある)ストーリーではないし。
うーむ、もう少し長い作品を書けるようになれば違うんでしょうか。そのためには、登場人物――引いては、「人間」をもっとしっかり書けるようにならないと駄目なんだろうなあ。精進しないと。
で。ずるずると書き連ねてきましたが、結局、カクヨムコンには出ないのか? ってことなんですけども。
参加してみようかなと思っています。
運営側が欲している作品内容では全然無いのは承知しているんですが、かといって、応募を禁止されている訳では無いですからね。せっかくのお祭りですし、一度くらいは参加してみようかなと。
私の作品は読者を楽しませるような内容ではありませんが、もしかしたら、カクヨムコンを通じて、誰かの琴線に触れることもあるかもしれませんし。
そうだと、いいなあ……(遠い目)。
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