秋のような

 すっかり秋めいてきましたね。いかがお過ごしでしょうか。先日まで暑い暑いとクーラーや扇風機を連日のように付けていたのに、時が過ぎるのは早いものです……。

 さて、私はこの時節、周囲を見回すのがとても楽しみだったりします。遠く高く広がる空、肌を撫でるひんやりとした風、どこからともなく香ってくる金木犀――色鮮やかなのに、どこか物寂しくて落ち着いた風景。秋が好きな私としては、この美しい風景を長く味わいたいのですが、いかんせん秋って短いのですよね。温暖化の影響か、ここ最近は更に短くなってきていますし。

 せめてあと少しの間、全力でこの季節を味わおうと思っております。

 

 何か、味わう、って書くと食欲の秋みたいだな……いやあながち間違いではないですけど。この季節の栗とか柿とか美味しいですよね!(笑)

 

 閑話休題。

 秋と聞いて思い出したのが、以前個人サイトを運営していたとき、併せて開設していた同盟サイトのことでした。同盟というのは、「私は○○が好きです」「××というポリシーでこのサイトを運営しています」といった、自分の好みや考えを表明するための、Web上の集まり……のようなものですね。

 私が運営していたのは「自分の作品を四季に例えたならこんな季節」或いは「自分が目指すのは、こういう季節を思わせる作品なのかもしれない」といった、意思表明をするための同盟でした。といっても同盟の活動なんて全然無くて、ただ、表明のバナーをサイトに貼っておくだけのものだったんですけどね。


 で。お察しとは思いますが、私が表明していたのは「秋」でした。色鮮やかなのにどこか物寂しくて、穏やかで、少しだけまだ温かいような。そんな文章がいいなと。果たしてそんな文章を本当に描けているかどうかは置いておいて、目標として。

 

 本当は、何か一つにこだわらず、春夏秋冬、全ての色合いの文章を書けるのが良いとは思うんですよね。表現したい内容に合わせて、文章や言葉遣いを使い分けられるのが一番。でもそれが出来なくて、どうしても似たような文章になりがちなんですよね。好きな言葉遣い、好きな文章でしか表現が出来ないから。

 とはいえ、出来ないことにばかり目を向けても仕方ないので。まだ暑さも残る秋口、とか。冬の冷たさも感じるような晩秋、とか。秋といっても幅はありますし。私の文章も少しずつ、幅を広げていければいいなあ、なんて。

 秋の夜長、そんなことを思っているここ数日です。

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