第65話海3
まったく、相変わらずあの二人は子供なんだから。
「俺たちも行こうか?」
「そうね」
そして私は水樹の腕に、私の腕を絡め、なんなら胸なんかを押し付けちゃったりして、水樹と一緒と海へと向かうのであった。
◆
最初、美奈子の水着姿を見たときは理性を保つので精一杯であった。
美奈子本人は筋肉のない身体がコンプレックスみたいであるのだが、別に太っているという訳ではなく、むしろ痩せている方だと俺は思う。
しかしながら痩せているとは言っても女性特有の膨らみは、ある。
…………、今必死に俺に押し当てているのがきっと胸なのだろう。
いや、意識してはいけない。
それこそ、今慎ましくも、しかしながら『ふにふに』と主張してくる感触が美奈子の胸であると意識してしまったら、俺は自らの理性を保つ自信がない。
ほんと、美奈子の胸が慎ましくて本当に良かった。
そう思うとともに、美奈子と付き合うようになって、このようなスキンシップが増えたのだが、女性の身体がこんなにも柔らかく、そしていい匂いがするとは思わなかった。
同じ人間であるにもかかわらず男と女というだけでこうも違うのだと、初めて美奈子に抱きつかれた時は思ったものである。
そして、海に到着した当初こそインドア派である美奈子は少しばかりテンションは低めであったものの、実際に海を見て、ちょっとだけテンションが上がってきているみたいで何よりである。
そもそもここの砂浜は地元の人しか使わない場所であり、海水浴場ではない為海の家やシャワーなどが無い代わりに、当然人混みも無い。
人混みがないという事が、美奈子にとっては一番の嬉しい誤算であったに違いない。
それでも、地元の子供たちなどはチラホラと見えるものの、海水浴場などに必ずと言って良いほどいるDQN達がいないというのが大事なのである。
美奈子にとっては苦手な人種がおらず、恐怖を感じながら過ごす必要もなければ、俺も美奈子をナンパなどされる心配もない。
まさにお互いにウィンウィンであろう。
そんな事を思いながら砂浜まで歩いて行くと、既に木田たちは海に入っており、二人でイチャイチャしているではないか。
因みに今日は俺や美奈子、高木やその彼女だけではなく、全員の両親たちも来ており割と大所帯であるのだが、美奈子は俺以外はいないものとして今回の旅行を過ごすようであったようなのだが、開始早々高木の彼女により崩れ去ってしまったようである。
しかし、その事を指摘するとその矛先は俺へと向かってしまうので突っ込むことはしない。
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