第46話中学生時代


あれから更に一週間、計二週間近く休んだ私は、ある程度技術も向上し、師匠から初心者脱却のお墨付きを頂いた為久しぶりに学校へと登校していた。


変わった事と言えば周囲が文化祭の雰囲気になった事と私のクラスの出し物がたこ焼きに決まった事くらいである。


「その表情だと吹っ切れたみたいだね?おはよ」

「ん。おはよ。もう大丈夫だから」

「なら安心だ。って事で早速いつも通りにデイリーを消費しようではないか」

「ふむ、良かろう」


そんな私を気にかけていたのか眞子が話しかけて来る。

正直態度を変える事も無くいつも通り話しかけてくれるのは有難いと思いつつも、他のクラスメイト達はまるで私が休んでいた事すら気付いていないかの如く無反応なのは少しばかり傷ついていたりする。


そして眞子とスマホのアプリゲームを協力プレイでデイリークエストを進めながらあの日の事を思い出す。


あの日、私が高城に告白され、逃げて帰って来た時の事である。


石田さんから聞かされた内容は高城の中学生時代であった。


高城は石田さん曰く幼少期から既にモテておりそれは小学校から中学校へ上がっても変わらずモテていたそうだ。


その光景が容易に想像つくのだからいかに高城がイケメンであるか思い知らされる。


そんな私の気持ちなどお構いなしに石田さんはそのまま語って行くのだが転機が訪れたのは中学二年の春、その日高城は二人の女性から同時に告白をされた事がきっかけであったという。


高城は中学上がって最初の頃は小学生時代の時と同様に、定期的に異性から告白をされていたらしいのだがいつからかそれがぴたりと止んだそうだ。


その事に高城は少し嬉しそうにしていたらしいのだが、何を隠そう中学二年の時に告白してきた二人が裏で女生徒を牛耳り高城へ告白する事を禁止にしていたのである。


そして、そんな事等知るはずも無く、そして知っていたとしてどうなる訳でも無いのだが高城はこの二人からの告白を受け入れる事はしなかった。


その翌日から告白をした女生徒二人を中心に高城を無視するようになり、気が付いた時には中学卒業まで高城はほぼ全校生徒から無視され心無い誹謗中傷を裏で言われていたそうだ。


その原因を作ったのはあの日フラれた二人であり「高城は女性を傷つけて泣かせた最低野郎らしい」「高城はあの二人が高城の事が好きなの気持ちを利用して裏で告白をさせない様に動かしていたらしい」「あの二人は被害者らしい」という噂が女生徒の中で一気に広まり、そして元々高城の事が気に食わないナルシスト気質の男性たちがそれに乗っかるように便乗していく形で気が付けば全校生徒から無視されるようになっていったのだという。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る