第45話師匠の下で技術を吸収していく
あの後何度もミナの家へ向かおうとしたのだが、今の自分がこんな状態では行かなくて正解だったかもしれない。
そう思いながらはやる気持ちを無理やり抑え、担任が話す九月の後半にある学園祭の説明を右から左へと聞き流して行くのであった。
◆
今、私は学校を一週間サボっている。
時間が無い為学校へ行く時間を捨て、今こうして師匠に技術を一つ一つ伝授して頂き自分の物へとしていっている真っ最中である。
勿論、高城に合わせる顔が無いし合わせたくないというのが本音であるのだが、別途自分を正当化できる言い訳があると心が大分楽になる。
しかしながら今覚えている事も元を探れば高城へ行きつくのでそこは深く考えてはいけない。
「こんなにも変わるものなんですね………」
私は今自分で手掛けた、ある意味作品を鏡で見ながら思わずそう呟いてしまう。
「そうよ。だからみんな必死になって覚えるの」
「なるほど………そりゃ、こんなにも変わればみんな頑張りますし、詐欺と言われても納得ですね」
「今、師匠である私の顔見てたよね?ふーーん?」
「ち、違いますっ!違いますってば師匠っ!私自身の話ですよっ!」
「あはははははっ!!ごめんごめんっ。でも自分でも自分が変わり過ぎだと思うし詐欺だとも思っているから大丈夫よ」
「も、もうーっ!」
「でも、そうね。美奈子ちゃん手先器用だし物覚えも良いから高校卒業したら私の会社に来る?」
「えっ!?良いんですかっ!!ぜひお願いしますっ!!」
「我が弟子ながら食いつきが良いな。ちなみに本心は?」
「これでテストと受験勉強、または就職活動をしなくても良くなったなーと。別にこれと言ってやりたい事も夢も無いですし、はははは」
「ん。素直でよろしい。これぞ美奈子って感じよね」
「そ、それってどういう事ですかっ!?バカにしている様に聞こえたんですけど師匠っ!!」
「ははははは、どうだろうねー」
「師匠ぉーっ!!」
そして、私の心情をしっている師匠は偶にこの様にからかってきたりするのが嬉しく思う。
師匠とじゃれている時や練習の時は他の事を考えなくても良いから。
と、いうか優しさからですよね?師匠っ!?信じてますよっ!!なんかちょっと師匠の顔が「美奈子馬鹿だし」って語ってる様に見えるんですけどっ!?それも演技ですよねっ!?
そんなこんなで私は今日も師匠の下で技術を吸収していくのであった。
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