第24話犠牲の上にそれが実行されると言うこと

「では、これより学園祭の出し物を決めようと思う」


そう担任が言うとクラスのリア充達だけが、何がそんなに嬉しいのか声を上げて喜ぶ姿が目に入ってくる。


因みに私の通うこの高校は体育祭と文化祭を交互に毎年行うのだが、これで私は体育祭も文化祭も毎年両方やる高校と比べて行事が少なくてラッキーと捉えていたのだがそうは問屋は降ろしてくれない。


他の高校と違い体育祭と文化祭の開催される日数が倍なのである。


この時ばかりは流石の私も神を憎んだね。


因みに去年の体育祭は二日間という開催日数により地獄を見た為もうやりたくないと心から思えたため、この文化祭は去年の経験を生かして仮病をしようかと悩んでいる所でもある。


だが、文化祭をやる側は嫌なのだが体験する側は楽しそうなので眞子と一緒に回ってみたいとも思う私もいる訳で、いかにしてサボりつつ満喫する事は出来ないものかと頭の中で模索する。


『ねぇ、ミーコは何が良いと思う?文化祭の出し物』


そんな、夏休み明けてから行う行事など、今を生きる私にはどうでも良いとばかりに先生や様々な案を出しているクラスメイト達の声を右耳から左耳へと、せめて実害の少ない出し物にしてくれればそれで良いと聞き流していると隣の席の男子からさりげなくノートの切れ端で作られた手紙を渡され、開くと今まさにどうでも良いと思っていた事が眞子のくりくりした気持ち悪い字で書かれていた。


あんたにこんな可愛らしい字が似合うとでも思っているのか。


眞子なんか神代文字で十分よ………神代文字は神代文字で可愛いじゃない。


神代文字は取り消して旧漢字くらいで良いでしょう。


『休憩所一択』

『うわ、今しかない青春をドブに捨てる様な事を、さもそれが当然の様に………クラスメイト達のキラキラした青春も犠牲の上にそれが実行されると言うことを少しは考えなさいよw』

『眞子、私達は生きているだけで様々な命を犠牲にしながら生きているのよ。それと比べたらクラスメイト達の青春なんてちっぽけな物じゃない。死ぬわけでもないんだから』

『うわぁ、詩人の様なイキリ切った気持ち悪い返し方な上に内容がゴミクズなんですけど』

『う、うるさいわね。人間所詮自分が一番可愛いのよ。じゃあ聞くけど眞子は逆に何かやりたい事でもおありで?ここまで言うって事は当然考えてりるのでしょうね?』

『当たり前田のクラッカーよ。当然女装喫茶に決まってるじゃない』

『でた、オタク故の発想。アニメの観過ぎなんじゃないの?』

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