第7話決してバカじゃない

「てかグランが高城君だなんて聞いてないしっ!!」

「俺が高城だって事は確かに言って無いからな。てか今までのゲーム内の会話から同じ高校で同じクラスだって事位すぐ分かるだろ?」

「………………へ?」

「テスト期間が全て開始日時も終了日時も振りかえ休日も同じ。話す天気の会話も被る事から同じ地域に住んでる事が分かり、そこからその地域の高校で同じテスト期間で絞れば同じ高校だと何故分からん」

「ぐ………っ」

「ぐ?」

「グランの癖にちょこざいなっ!生意気よっ!そもそもどうやって同じクラスだって事が分かるのよっ!?」

「新しい担任が禿げで太ってるって言ったのミナだろう?この鳥頭。更に『窓際一番後ろの席とかアニメの主人公かも知れない』でミナの中身が山田さんで確定。何なの?バカなの?このご時世で危機管理能力がなさ過ぎるだろ」

「ぐぬぬぬぬぬぬっ!!」


悔しいが言い返せない。


グランの癖に。


しかしながら未だ疑問に思う事がある。


私はそれに起死回生の全てをかける。


「だ、だとしても会う必要は無いと思うけど?」


ふ、言えまい。


何故ならば私も何でこんな事になっているのか理解が出来ないからであるっ!


むしろ中身が私だと知ればこんな事しようとは思わない上に、万が一出会い厨ならばゲーム内の関係を断つわねっ!自分で言って悲しいけどっ!!


「あぁ、そんなのミナが頑なにリアルで会う事を拒んで来たからだろう?俺もテスト期間被っている事は言ったし天気が被っている事も言ったし担任の特徴が同じ事は言ったし左端の一番前の席とも言ったからお互い中身バレしているものと思うだろ。普段から顔を合わせて居るんだから会う事なんて今更だろう」


今更ちゃうわっ!


何この謎理論っ!


ヨウキャ特有の知り合いは皆友達理論っ!


てか、グランは私の中身が分かったのに対して私がグランの中身が誰か分からなかった事が悔しくてたまらない。


コレでは私よりグランの方が頭がいいみたいでは無いかっ!


た、確かにテストの点は高城の方が毎回高いけど、テストの点数と頭の良さは別の事だからっ!


私は決してバカじゃない!


てか顔が近いから早くこの体制をどうにかしなさいよっ!気が利かないわねっ!


「と、いう訳で明日の土曜日ミナの家に行くから宜しく」

「私はバカじゃないから…………へ?いやいやいや、無理無理無理っ!!」

「じゃぁ、ミナの赤ちゃん言葉プレイをバラすしかないな。あ、ちゃんとムービーで保存してるから。今日の日付が変わるまで了承の返事がなければ………来週月曜日からミナのニックネームは変わってるかもな」

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