どうしてこんなキャラを作ってしまったんですか? ~俺の黒歴史どもが異世界で暴れているから断固回収します~

五部臨

拉致は導入の基本




 夜明けが近い。僕はまだ仕事を続ける街灯に照らされ、ふらふらに成りながら帰りついた。夜勤明けはつらい。コンビニ袋片手に、家の戸を開けるとそいつらがいた。


「どーもどーも、悪いが兄ちゃん、ちょいと付き合ってもらおうか」


 自身の汚部屋を背景に口を開いたのはグラサンをしたムッキムキの姉御がいた。体格は成人男性である僕より一尺は高い。身にまとうのは高級そうな黒いスーツ、そして腰には物騒な拳銃を吊るしている。絶対、モデルガンではない。それはなぜだか確信できた。


 あからさまに堅気じゃない。こわい。だが、その怖さの理由が別にあると、僕は頭の奥で思った。どこかで、見たことある? いや知ってるのだろうか。分からない。


 その思考を裂いて、そいつがぬっと手を伸ばした。玄関の外に出ようとすると、いつ間にか後ろには黒服の男たちが囲んでいる。

 抵抗しようと、弁当の入ったコンビ二袋、玄関先に置いたままだった傘だの、ほこりをかぶったダイスポーチなどを投げつけるが、あった空しく、僕はあっさり引きづり倒された。

 そして、親指を縛り上げると米俵のように黒服に担ぎ上げられた。そうしてから待機していたであろう、ワンボックスワゴンに放り込まれる。そして目隠しをされて、どこかへと連れ出された。

 不可思議な浮遊感を感じた後、ぶっつりと意識が途絶えていった。




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