短歌

ミヤマ

短歌



複素平面歩くユダの子供ら 13+iの直線


沼に沈んだオフィーリアたちをさらう。市場価格kg2万キロにまん也。


穢土を這う ありわに海星ひとで鴨嘴かものはし その身転じる 犬の他にも


「的皪として」 何を形容すべきか迷う 玩具箱を前にして


青い電気のひだりうでがうまれる S県Q市I村の畑で 


夢占いを受けた父親が黒い太陽の肛門を視る


歯車式自動人形アンドロイドに流れし機械油 贋作血液オイルを罵りて 吸血鬼


切り株や ははがこしかけ ちごのくび 草のはたてを まろびわらうか


脛振の膿五滴たむけ餓鬼供養 眼潰れし いもとかへらず


蝸牛の殻に詰まった父親たちを取り出す ベジェ曲線の日


失明したメリエスの月を問診しに医師たちが打ち上げられた


脱走した人造ナマコたちの村 子ナマコ一匹 供物に使う


贋のおつきさまが動くには遊星歯車が2つ必要になる。


生きた屍となりしオフィーリア 睡蓮の花びら食みていずこ泳ぎしか


逆回り する時計 見る改悛者 肉へ戻りし 刃先の血糊









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