第12話俺が神になるって本当ですか?!
「話す前に先にこれだけは言わせてくれ。 こちらの勝手な都合で仲間たちと切り離して済まない」
そういって、クーリエは俺に対して頭を下げてきた。
「いいですよ、別に」
「そういってもらえると助かる」
「よし、ほんならさっきの話の続きをしましょか」
「そうじゃの」
一度間を開けると、クーリエの爺さんは話し出した。
「まず神という存在を簡単に表すと、【概念】だ」
「【概念】……ですか?」
「そう」
「えっと……どういうことですか?」
「つまりやな、簡単に言うとそれぞれの神が世界にとって必要なものを司ってるちゅーことや」
「な、なるほど」
「そしてそのいくつかには周期が存在するんです」
「文明が失われていくのも実はその周期が関係してるんだよ!」
「そしてその周期が存在するのは私たちの中でも三柱だけ」
「魔法神、武道神、そして遊戯神じゃ」
「つまり俺たち三人ってことだ!」
「いや、そんな高らかに言うことじゃないんじゃ……」
「そして周期を迎えた神はあらゆる世界から、自分に似た素質を持つものに【才能】という形で自分の力を一度振り分ける」
「そんでその力を一番うまく使えたやつが次の神になるちゅーことや」
「ちなみに神の力を振り分けられた人は体にも変化が起こるのよ」
「君の場合、左目だね」
「左目……オッドアイの事?」
「そうですね、本来あなたはどちらも黒い目のはずだったのですが、【才能】の影響で赤くなってしまったのです」
「へぇ~」
「話を戻そう。 つまり君は前任の神から選ばれたのだ」
「一つ聞いてもいいですかね?」
「なんや?」
「それって…………楽しいの?」
いつの間にか俺は笑っていた。こんな楽しそうな展開はそう滅多にあるものではないからな。逃すなんて惜しいことはしたくない。
「それはお前次第だな! ガハハハ!」
「なるほど、いいね……楽しそうだ」
「やはり……」
「彼も根っからのゲーマーということですね」
「では、
「なります」
「よろしい。 ここに創成神クーリエの名のもとに、新たな【遊戯神カーム】の誕生を認める!」
そう高らかに宣言すると、俺はまぶしい光に包まれてた。その中で俺は前任の神の記憶らしきものが一気に流れ込んできた。
「あがぁ!」
過去に経験したことがないぐらい激しい痛みが脳を襲ってきた。脳が焼き切れるような、響き割れるような、複数の痛みが俺の脳を襲った。ほんの数秒しかなかったのがせめてもの救いか。
「あぁ……なんだよ、いってぇな」
「見てみ、あんさんの姿えらい変わったで」
ククロがそう言って映し出した鏡に映った自分を見てつい言ってしまった。
「誰?」
俺はあり得ないぐらい変化していた。服は集輝学園の制服だったのに、いつの間にかいかにもギャンブラーが来ていそうな、紺色のロングコートを着ていた。ご丁寧に首のあたりにはファーもついている。腕には金色の腕輪があるし。全体的に派手だ。てかそんなことより、
「髪の色変わってるんだけど?!」
元々俺は黒髪だったのに、いつの間にか、燃え盛るような赤色になっている。おまけとばかりに左目も完全に赤色になっている。
「よかったな! 紅蓮、改めカームよ!」
ちょ、あの、マーシャさん? 痛いです。背中バシバシたたかないでください。ほんとに、しゃれにならないレベルで痛いです。
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