心に響いた言葉

ノーベル賞受賞者の山中伸弥教授がテレビの対談番組に出ていた。今年始めの頃、新型コロナウィルスで世間の人々があまり危機感を持っていなかったことに物凄く危機感を持っていた話や、初孫の話、自粛期間中にずっと家にいる時間が出来て、30年経って初めて家族とのんびり家でご飯を食べた事や、窓の外をじっくり眺めてこんな景色だったのかと気付いた話などをしていた。それまではずっと研究研究の毎日だったそうだ。その中で、私の心に刺さった話がある。




山中伸弥教授は今でこそ、いろいろなパーティーに出席したり、番組出演や、多方面の知人などがいたりして社交的だが、社交的になったのは30歳過ぎてからだったそうだ。それまではずっと研究室で研究ばかりしていた。社交的でないから研究ばかりしていたと言うこともあったそうだ。ある時、外国の研究室でボスに「もっと社交的になった方が良い」と言われた。「こう言う性格なので社交的になるのは無理です」と話したら、「静かに打ち込むその性格は侍みたいで良い。でも研究者は人脈なども大切だから社交的な人を演じろ」と言われたそうだ。




確かに研究者は人の助けがいる。研究者に限らずとも、人は何かをするのに一人ではやって行けない。誰かの助けがあって成果が出たり、良い物が出来たり、誰かの存在があって成長することができる。だから殻に閉じこもっていては成長できないのだと思う。その教授のボスの言葉の「社交的を演じろ」は良い言葉だと思った。性格を変えるのは容易ではない。でも演じるのだったら心に負担も掛からないだろう。私にとっても心に響いた言葉となった。本来の自分を捨てずに、無理しないスタンス。心にとどめておきたい。

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