サヨナラすべきか
最近は雨の日が多く換気もままならなかった。カーテンを見ると何と黒い点々が。これはもしやカビ?と思いつつ、以前に買ってあった布製品用のカビとりスプレーを手に取る。
説明を読むと、寝具やレースのカーテンにと書いてある。「使えるな。」
レースのカーテンを手に取り、ひと吹きかける。鼻の奥に軽くツンとした痛みを覚えながらも数分待つ。その黒点は消えていた。「よしよし。」
安堵したのもつかの間、私は異変に気付く。カーテンの下に畳んで置いてあった大事な物たちが大変な事に。グリーンのポロシャツ、深緑のチノパン、ブラックのチノパン。
私の心は、安堵から奈落の底に突き落とされた。「なんて事だ!」見るも無残な私の衣類達。それは白と赤茶のマダラ模様になっていた。慌てて、洗面所に持っていく。祈るような気持ちで、水道水をかける。しかし、彼らを救うことは出来なかった。2年もの間私に着いて一緒に暑い夏を乗り越えてきた物達。また、今年の夏に私の元に来た物も。
「君とは3回しか一緒に過ごせなかったね。」
申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらも、これらの行く末を今考えている。「どうするべきか。」答えはまだ出ていない。
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