太平記
今、昔やっていた大河ドラマで『太平記』を観ている。吉川英治の『私本太平記』をベースに、今年の『麒麟がくる』の脚本の池端俊作氏が書いている作品だ。『麒麟がくる』を最初に観ていたけど、コロナ禍で撮影中止の間に配信されていたので観だした。
このドラマは私が大河ドラマの中で一番好きなもので、観るのは今回で三回目。好きすぎて、『私本太平記』も読んだくらいだ。主役の足利尊氏が、若い時の真田広之でとにかくカッコいい。足利尊氏と言うと、学校で習った歴史の授業などでは、彼がやったことに対する評価がいまいち地味で、藤原道長や源頼朝などのスーパースターの陰に隠れがちだが、私はこのドラマで鎌倉・室町時代が大好きになった。当時の鎌倉武士の服装の烏帽子(えぼし)に直垂(ひたたれ)姿は実にカッコいい。江戸時代の裃(かみしも)より好き。征夷大将軍などをやる人物は勇猛果敢で、決断力があり、「俺についてこい!」的な感じのイメージがあるけど、尊氏はウジウジしていて、いつも何かに苦悩していて実に人間臭い。他のキャストも良い。御台所の登子は沢口靖子で、とても美しくて可愛い。お雛様を見ているようだ。宮沢りえの白拍子姿も良いし、ゴクミの北畠顕家役は鎧姿が凛々しい。後醍醐天皇もなんだか神々しい。バサラ大名の佐々木道誉も・・・。挙げればきりがない。
今日観た回は、『鎌倉炎上』という北条氏滅亡の回だったけど、片岡鶴太郎演じる執権北条高時が実に愚鈍でエキセントリックで惹きつけられる。初めて観たときは、この回は怖かった記憶があるけど、今回は怖いながらも実際にも北条一門は最後、無念と悲しさと死への恐怖といろいろあったんだろうななんて思いながら、涙でぐちょぐちょになりながら観た。今の時代に生まれて良かったな。
数年前に観た後、この舞台の東勝寺が気になったので、この時代の彼らに敬意の念を抱きつつ、Googlemapで跡地を見た。今は、何もない草原でフェンスで囲われていて、静けさだけが流れていた。まさに、「兵どもが夢の跡だなぁ。」と思った。
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